工藤監督 ペナントレースはマラソン 勝負は「30キロ過ぎてから」

[ 2021年6月29日 08:30 ]

ソフトバンク・工藤監督(撮影・後藤 正志)
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 ソフトバンクは、最大7あった貯金を失った28日夜、工藤監督主導でコーチ陣と約1時間、京セラドーム内でミーティングを行った。西武に敗れて今季5度目の4連敗。早々に選手を帰宿させた上で、話し込んだ。

 「これで(勝率)5割なので、ここからやり直しという意味で。自分たちが、しっかり考えて、いいアドバイスをしてあげたい。自分たちがコトを起こさなきゃ、と。まだ5割。さあ、ここから。そのために、ミーティングをさせてもらいました」

 会見場に現れた工藤監督は、長いペナントレースの苦しい現状を、マラソンに例えて振り返った。首脳陣ミーティングは、選手後方の伴走車から声をからす指導者の、再決起に向けての意思統一のようだった。

 「まだまだ。マラソンでいえばUターンしてちょっと、残り20キロですよ。そこで離されちゃうと力が出なくなっちゃうが、30キロまで付いて行き、あとは気持ちで走るというところ」

 トップ集団に離された上、後続に並ばれた大ピンチだ。西武戦では6月だけで4度目、今季10度目の逆転負けを喫した。月間成績も28日時点で5勝11敗6分け。ペースダウンが著しい上、首位のオリックスと楽天に今季最大の3・5ゲーム差を付けられ、ソフトバンク、西武、ロッテの3チームが勝率5割となった。

 30日の北九州、7月1日のペイペイドームと変則的な3連戦を戦う西武には、今季ここまでリーグ内で唯一、負け越しを喫している(4勝7敗2分け)。10月のリーグ制覇がゴールとすれば、現在76試合を終えて折り返した後の、心臓破りの坂をどう登れるか。ここが最大の難所、見どころとみる。

 「マラソンの解説を聞いていると、30キロ過ぎてからだと聞きますしね。離されちゃうと追い付くのが大変だと思うので、みんなで力を合わせて頑張ります」。7月には左足首の負傷からエースの千賀も再合流する予定。来月中旬からは五輪中断期間に入る。いったん給水、休息、作戦変更もできる。いかに走り抜くか、見届けたい。(記者コラム・井上 満夫)

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