西武・平良、プロ野球記録の38戦連続無失点 高卒4年目“火の玉・球児”に並んだ

[ 2021年6月29日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―2ソフトバンク ( 2021年6月28日    京セラD )

<ソ・西>38試合連続無失点のプロ野球記録に並んだ平良(左)は森とグータッチ(撮影・井垣 忠夫)
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 西武で守護神を務める平良海馬投手(21)が28日、ソフトバンク戦で3点リードの9回を3者凡退に抑えて38試合連続無失点のプロ野球記録に並んだ。高校時代から努力を怠らずに最速160キロを投じるまでに成長した剛腕は、この日にファン投票による選出で高卒4年目にして球宴初出場が決定。これからも向上心を失わず成長を続けていく。

 フルカウントから平良が選択した勝負球はカットボール。それが甘く入った。「真ん中で、けっこう危ない球かなと思いました」。本人も失投と認めた一球。それでも牧原大のバットに空を切らせた。

 「(記録の意識は)多少ありながら投げました。一歩一歩の積み重ね。うれしいです」

 出番は3点リードの9回。大記録目前にも「(普段通り)0点で抑えるという気持ちでした」と振り返る。代打・真砂を空振り三振に斬ると、三森はこの日最速の157キロ直球で投ゴロ。最後は牧原を抑えた。「分かっていても打てない」と強打者を恐れさせた「火の玉ストレート」を武器に阪神・藤川球児が06年に記録した38試合連続無失点のプロ野球記録に並び、節目の10セーブ目を挙げた。

 故郷・石垣島で先人に通ずる剛球をつくり上げてきた。「継続しておきなさい」。今も心に刻まれている恩師の教えだ。八重山商工時代はロッテ・大嶺らを育てた伊志嶺吉盛監督(67)に指導を受けるも同監督は2年夏に退任。新チームは部員わずか7人で廃部の危機にも直面したが下を向くことはなかった。「勝つことが目的というよりは楽しんでやっていた」。テレビ番組で、のちに同僚となる菊池(現マリナーズ)がウエートトレに励む姿に感化され、夜9時に練習を終えた後も毎日ジムに通った。3年夏に最速154キロを計測。それからわずか4年でプロのトップまで駆け上がった。

 パ・リーグ記録に並んだ20日のロッテ戦では前の投手が残した走者を生還させて「ちょっと不思議な記録だな、と思いながら投げてました」と言うが「仕事なので、ちゃんと“仕事に集中”という感じでやってます」と笑う。「平良無双」は、しばらく続きそうだ。(花里 雄太)

 《10S・2Hで》平良(西)が06年藤川球児(神)の38試合に並ぶ連続試合無失点のプロ野球記録を達成した。無失点中の成績を見ると、藤川の7S24Hに対し平良は10S21Hで、両方を合わせると同じ31。ともに勝利の方程式を担いながら達成した価値ある記録なのが分かる。連続イニング無失点も開幕から37イニング。開幕からの最多連続イニング無失点は39年高橋敏(阪急)の38回1/3となっており、あと1回1/3で並ぶ。また、開幕からに限らない記録でもパの9位に浮上し、58年稲尾和久、63年田中勉が持つ球団記録の39イニングにも残り2イニングだ。

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