ソフトバンク・千賀がラスト侍に急浮上 巨人・中川の代役 左足首じん帯損傷から回復順調

[ 2021年6月29日 05:30 ]

侍ジャパンに急浮上したソフトバンクの千賀
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 ソフトバンク・千賀滉大投手(28)が東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの24人目のメンバーに滑り込む可能性があることが28日、分かった。きょう29日の3軍練習試合・大分B―リングス戦(タマスタ筑後)を、侍ジャパンの建山義紀投手コーチ(45)が緊急視察する予定。4月の左足首じん帯損傷で一時は五輪出場は絶望的ともみられていたが、巨人・中川の負傷辞退もあり代替候補に急浮上した。

 ラストサムライは誰か…。代表に内定していた中川は25日に左肋骨の骨折で辞退。代替選手について稲葉監督は「コーチとしっかり話し合う。本当に後ろが必要なのか、または長いイニング投げられる選手なのか」と話していた。代役は左の救援投手にこだわらず幅広く探っている。仮に千賀が間に合えば、世界の頂点を目指す侍ジャパンにとって、これ以上ない朗報となる。

 千賀は29日に1軍合流テストに臨み、100球前後を予定するその登板を建山投手コーチが直接視察する。4月6日に左足首じん帯を損傷し、当初は復帰まで2~3カ月と診断された。一時は五輪は絶望的ともみられたが急速に回復。実戦復帰となった17日の3軍戦は4回無失点で最速158キロもマークした。前回23日のウエスタン・リーグの阪神戦も3回途中2失点ながら84球を投じた。コンディション面の不安が消えれば白羽の矢が立つ可能性は十分だ。

 同じ愛知県出身の稲葉監督と千賀の絆は強い。コーチだった17年のWBCは準決勝で米国に敗れたが、7回から救援した千賀は強力打線から4者連続三振。同大会では計11回を1失点、防御率0・82で大会タイ記録の16三振を奪い、ポジション別優秀選手に唯一選出された。監督就任後、故郷のナゴヤドームでフル代表初陣だった18年3月の強化試合・オーストラリア戦では初戦の先発に指名。千賀も2回を6者連続三振という圧巻の内容で応えた。

 先発はもちろん、高い奪三振能力で抑えの経験もあり、オリックス・山本のような「ジョーカー」となれる千賀が加われば投手陣全体の層が格段に厚くなり、用兵の選択肢も増える。仮に千賀が先発となれば左腕の中日・大野雄を第2先発含めブルペンに回すことも可能で、故障離脱となった救援左腕の中川の穴は埋まる。
 24人の内定選手を決めた6月頭の段階では、千賀の状況が不透明で招集を見送った。会沢に続く2人目の負傷辞退者のショックを振り払う、ウルトラC。千賀が侍史上最高の切れ味を誇る「名刀」であることは、誰もが知っている。

 《DeNA・今永、楽天・松井、巨人・高梨も候補》千賀の他にはリーグトップの21セーブを挙げる楽天・松井や巨人・高梨らも候補。稲葉監督は27日に楽天生命パークを訪問して松井について「もちろん候補の一人」と語った。また千賀と同様に故障から状態を上げているのがDeNA・今永。19年のプレミア12も含め稲葉ジャパンの常連で、左肩手術から5月23日に1軍に復帰し、ここまで5試合に先発するなど順調だ。

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2021年6月29日のニュース