田淵幸一氏 DeNA・牧は打席でボールを追いかけない自然体フォーム

[ 2021年5月7日 05:30 ]

田淵幸一氏
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 DeNA・牧は構えが自然体で、変な癖がない。バットも最短距離で出る、理にかなったフォームだ。何より優れているのは打席でボールを追いかけないこと。頭が投手側に突っ込まず、軸足の右足に体重を残し、ボールを引きつけて広角に打てる。

 4月11日の阪神戦で逆方向の右翼ポール際に打った一発を見たが、左手の使い方が非常にうまく、バットコントロールも巧みだと感じた。頭が後ろに残っていれば左手だけでも本塁打にできる。阪神の佐藤輝が2日の広島戦で満塁本塁打を放ったが、内角低めの変化球を右手だけで右翼ポール際に運んだ。佐藤輝は左打者だが、原理は同じだ。

 あと牧に必要なのは、プロの世界での厳しい内角攻めにどう対応するか。私は阪神での現役時代、山内一弘コーチに内角打ちを伝授されたが、習得に約3年かかった。肩はそのままで腰を速く回す。詰まってもいい。ゴルフでいえばフェードボールを打つイメージだ。対処できる技術を身につければ、狭い横浜スタジアムが本拠なら30~35本塁打も可能とみている。(スポニチ本紙評論家)

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2021年5月7日のニュース