広島・玉村 プロ初勝利目指し9日中日戦先発 高卒2年目同学年のヤクルト・奥川を「追い抜きたい」

[ 2021年5月7日 05:30 ]

9日の中日戦先発に向け、マツダスタジアムで入念に調整する広島・玉村
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 広島・玉村昇悟投手(20)が6日、マツダスタジアムでの投手指名練習に参加し、先発が予定される9日の中日戦(バンテリンドーム)に向けて調整した。前回4月29日のDeNA戦は黒星デビューとなったものの、切れの良い直曲球に期待が膨らむ高卒2年目の左腕。プロ初勝利を挙げ、同学年のヤクルト・奥川を「追い抜きたい」と意気込む。

 快晴の本拠地。玉村は、同じ左腕の高橋昂とキャッチボールを終えると、50メートルのインターバル走を延々繰り返した。プロとしての一歩目を踏み出した4月29日、対DeNAデビュー戦から1週間。反省を踏まえ、次回への修正ポイントが脳裏には刻まれていた。

 「真っすぐとスライダーしか使えていなかった。カーブ、チェンジアップをうまく使って、打者としっかり勝負していきたいです」

 5回で球数101球を投げ、5安打5失点(自責4)。オースティン、ソトに内外の直球を本塁打され、プロの洗礼を受ける初黒星を喫した。それでも佐々岡監督は「投げているボール自体はすごく楽しみ」と高評価。登録抹消せず、2度目の先発機会を与えた。

 予定は9日、敵地での中日戦。横山投手コーチは、20歳の長所を「直球が強い。スピードガン以上のものがあると思う」と説明。加えて「外国人に一発を打たれたけど、ああいう打者をどう抑えるかが課題。広いドームなら好投が期待できるのでは」と待望する。

 刺激を受ける右腕がいる。ともに北陸出身で、同じ高卒2年目のヤクルト・奥川。玉村の福井・丹生高と奥川の石川・星稜高は隣県同士「よく(練習試合を)やっていた。奥川くんにはスライダーとかいろいろ教わりました」と振り返り、その上で力を込める。

 「同い年で(先発ローテーションを)担っている。追い抜きたいです」

 素直な心情。奥川は4月8日、広島戦で既にプロ初勝利を挙げており、玉村が“追い付き追い越せ”とばかりにライバル心を燃やすのは当然のことだ。舞台は広いバンテリンドーム。竜を退治し、今度こそウイニングボールを手にしたい。

 「どんどん押していくのが僕のスタイル。緩急をつけながら、しっかり自分の力を出し切りたいと思います」

 向こう気は強い。攻める投球に期待だ。(江尾 卓也)

 《2年ぶり高卒2年目以内勝利なるか》広島の高卒2年目以内の投手が勝利を挙げれば、19年に高卒2年目の山口と遠藤がそれぞれ1勝ずつして以来2年ぶりとなる。近年の高卒2年目投手ではほかに08年前田健9勝、10年中田1勝、11年今村3勝、18年アドゥワ6勝と高橋昂1勝がある。なお、チームの高卒新人の勝利は06年の斉藤悠葵が最後。

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