田淵幸一氏 阪神・佐藤輝は22本なんか朝飯前だよ! インハイへの対応を絶賛、記録更新に太鼓判

[ 2021年5月7日 23:17 ]

セ・リーグ   阪神6-12DeNA ( 2021年5月7日    横浜 )

<D・神(7)>4回無死、佐藤輝は右越えにソロ本塁打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 私の記録は間違いなく超える。スポニチ本紙評論家の田淵幸一氏(74)がリーグトップに並ぶ10号を放った阪神・佐藤輝明内野手(22)の打撃を分析。内角高めを右翼席上段まで運んだ一撃を絶賛し、同氏が阪神の現役1年目にマークしたシーズン22本塁打の球団新人記録の更新を確約した。

 佐藤輝の本塁打を初めて生で見させてもらった。4回、DeNA・中川のインハイの145キロ直球。体を弓のようにしならせて右翼席上段まで運んだ。パワーといい、技術といい、素晴らしいゴールデンルーキーだ。

 インハイは強打者にとってウイークポイントの一つ。その球を佐藤輝は頭を動かさないで軸がぶれないように始動し、インパクトの瞬間に頭を少し後ろへのけぞせた。こうすることで体が弓なりになり、腕が伸びてボールをしっかり捉えた。頭が前に出ると、窮屈になって完全に詰まってしまうコース。実に上手く打っている。

 体の強さ、特に背筋が強いのだろう。そのパンチ力で打ち返した打球は、揚力があって風の影響も関係なく飛んでいく。あの飛距離も大きな魅力だ。

 遠くに飛ばすことしか考えていないようなスイングだが、それもホームランバッター特有のもの。あのスイングこそ彼本来の姿なのだろう。三振数はリーグワースト(47三振)ながら、空振りしてもスイングは決して崩れていない。例え3三振した後でも気にせず、当てに行くようなこともせず、豪快なホームランを打ってしまう。そういう打者だ。

 私は阪神での現役1年目、10号到達は52試合目だった。佐藤輝は19試合も早い。球団新人記録である私のシーズン22本塁打も間違いなく抜くだろう。

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