エンゼルス・大谷、6回途中無失点も2勝目お預け リアル二刀流見送りで「打者・大谷」が援護できず

[ 2021年5月7日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー3レイズ ( 2021年5月5日    アナハイム )

<エンゼルス・レイズ>エンゼルスの先発・大谷(AP)
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 自身を援護できなかった。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が5日(日本時間6日)、レイズ戦に先発し、5回0/3を1安打無失点で勝利投手の権利を得て交代したが、救援投手が逆転を許して敗戦。大谷の今季2勝目はお預けとなった。チーム事情でDH解除による「リアル二刀流」として出場できず、投手に専念。自らのバットで勝利をたぐり寄せた今季初白星の再現とはならなかった。 

 二刀流ゆえの悩み。大谷は6四球を与えた一因に「気持ちのバランス」を挙げた。5回0/3を無失点でしのいだ一方、制球は乱れ球数がかさんだ。

 「なかなか点が入らない中で貴重な1点を取ってもらっていた。その1点をいかに守れるかという心理状況。自分が本塁打を打って取った1点と全然、違うものがある」

 「2番・投手」で出場した前回登板の4月26日レンジャーズ戦では、初回に4失点。直後の2回に自ら2点二塁打を放つなど取り返し、3年ぶりの白星につなげた。しかし、今回は「打者・大谷」を頼れない状況だった。

 投打同時出場の方針だったが、チームは野手に故障者が続出。出場できる控え選手がプホルスしかおらず、降板後の選手起用の難しさから「リアル二刀流」が見送られた。好機で一本が出ず、3回の押し出し四球以外の得点を奪えなかった。

 マウンドでは「自分の中のアベレージくらい」と最速99・8マイル(約161キロ)の直球をスプリットを軸に5回まで毎回の7奪三振。「(打者としての)自分がやられて嫌なことをやるだけ」と2日の右肘への死球や、前回登板でできた右手中指のまめの影響を感じさせなかった。3回には痛烈なライナーを好捕し、思わず笑みがこぼれる場面も。しかし、6回に先頭から2者連続で四球を与え、84球で降板。「四球が少なければ7回くらいいけた」と悔しがった。

 ジョー・マドン監督は今季被安打ゼロの大谷のスプリットを、歴代最多652セーブのマリアノ・リベラ(ヤンキース)の宝刀カットボールと同レベルと評価。「ずばぬけている」と褒めたが、大谷不在の打線が援護できなかった。

 チームは4連敗で地区最下位に転落。「明日(日本時間7日)も打者として出ると思う。頭を切り替えて頑張りたい」。マウンドでの悔しさを、まずは打席で晴らす。

 ≪奪三振率“ア2位”≫規定投球回には到達していないが、大谷の9回当たりの奪三振率14.46は、コール(ヤンキース)の同14.81に次ぐア・リーグ2位相当。ここまで18回2/3を投げて30三振を奪っている。昨季サイ・ヤング賞のビーバー(インディアンス=14.34)を上回るハイペースだ。両リーグトップはデグロム(メッツ)の15.17。

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