球児引退　中学時代の恩師が振り返る「球児っていう名前、変えろ!」と「タコ踊り」

阪神・藤川球児引退試合 （ 2020年11月10日    甲子園 ）

城北中時代の恩師である上田修身氏（現・高知商野球部監督）

　現役引退を迎えた阪神・藤川球児投手（40）に対し、高知・城北中時代の恩師である上田修身氏が、メッセージを送った。

　最初は全然、練習に来なくて、ハンドボール部に入るという話を聞いて、「それなら、球児っていう名前、変えろ！」と言いました。野球部に入ってからは故障をさせないように上級生がいる時はショートをやらせてました。

　勘とか動きも良くて、中継プレーに入っても視野が広くて、本塁間に合わないと思ったら、二塁へ投げて打者走者を刺してましたね。唯一、後方へのフライ捕るのが苦手でタコ踊りみたいにグルグル回ってたことが一番印象に残ってるんです。

　下級生の試合でピッチャーもやらせましたが、相手チームの子も球児のことを昔から知ってるから「お前が本気出したら打たれへんからやめろ」と声が飛んでました。大会でも球児が準決勝を投げたら決勝は投げさせない。周りからは「球児が投げたら優勝できるのに」と言われましたけど変えませんでした。

　今年、抹消になった時に大丈夫か？と聞いたら「痛いです」と。いつもなら「ちょっと、おかしい」「休みます」なので、やりきったのかなと思いました。15年に高知商の監督になった後、球児に「お前が阪神で現役のうちに後輩たちを甲子園に連れていくからな」と言いました。球児は「先生、僕も先長くないよ」と笑ってたんですが、一昨年その目標も果たせました。

　球児、長い間、本当におつかれさま。　（現高知商野球部監督）