【これで聞き納め!球児会見(1)】「高知県に頑張りましたと、約束を守れたと、胸を張って帰れる」

[ 2020年11月11日 06:35 ]

阪神・藤川球児引退試合 ( 2020年11月10日    甲子園 )

場内一周で自身のスマホでスタンドの様子を撮影する藤川球児=甲子園球場(代表撮影)
Photo By 代表撮影

 阪神・藤川球児投手(40)が10日の巨人戦で引退試合に臨み、慣れしたんだ“最終回”に登板した。今季最多2万1392人を集めた本拠地・甲子園球場で「火の玉」と称された全12球の直球勝負で2三振を奪うなど打者3人を抑え、22年間の現役最後のマウンドを終え、引退会見を行った。

 ――グラウンドを一周。いろんな声が届いた。
 「そうですね。今回引退のまあ、いろんな引退記念のグッズがたくさん出ているんですけども。どちらかというと、それを持っている方がたくさんいるし。だけど、もっと前から、自分を応援してくれていたような、そういうファンの方々とか同じような。自分が、それこそ2005年の優勝した時とかに自分どんな生活してたのか。そういう方たちにはと思い出を一緒にね、ページをめくっている感じがして、感慨深いものもありましたね」

 ――終始、笑顔だった。
 「自分にとって野球というのは本当のシビれるような戦い。その中で敗れたり、勝ったり、勝ち続けないといけないんですけど。そういう思いでやってきた中での、悔しさ、嬉しさというのもが本当は大事だったと思うんですね。グラウンド上での。なので、チームのために涙を流すことはあるかもしれませんが、個人が野球を離れるということで涙をするということは実は一度もなかったんです。野球というものが好きで、子どものことからやってきましたけど、純粋に野球をするということになれば、高知ファイティングドックスでプレーしたときも、例えば、小学生の1番最初に親父に連れていってもらった朝早くから野球をすることも。それも同じなんですよねこのプロの世界では。野球を続けるということに関しては、仕事ではないので。だけど、責任とかそこの責務に苦しく感じたり。だけどそこから立ち直らないと行けないとか、そういう姿を見せてはいけないというか。本当に、人生の鍛錬の時間だと思うので。それをいい勉強をさせてもらったと思って、本当にみなさんに感謝しかないです」

 ――感謝は十分に伝わったと思うが。
 「明日投げれば、もう1キロぐらいは出そうかなという感じはしますけど。ただ、元気に投げれているように見えるかもしれないですけど。本当のプロの第一線、自分が求められている役割、そういったポジションで1年間、腕を振り続けるということに関しては、本当に自信がないのではなくて、物理的に現状では、手術をしないといけないということなので。もう終わったから言いますけど、肘の状態が思わしくなくて。そのせいで肩にも負担がかかっている。なので、肘のほうで5カ所くらいかな、手術しないといけないんじゃないかと。そうすると、肩の方もガタがきているので。リハビリをしていくと、コンディションのほうは変わらないかも知れないですけど。ファンの方に来シーズンのプレーすることをお約束できないんですよね。それが、自分のタイガースでの献身というか、本当にプロとして、仕事としてやる上では、数字が残せなければ、それで終わり、ということだったんで。今年の、残った成績を見て頂ければ。もともと、そういう決断で自然の流れというか。それが自分自身、タイガースのユニホームを着た自分との約束だったので。約束をしっかり守れたと。守れた男でよかったなと。地元に、高知県に頑張りましたと、自分の約束を守れたということで、胸を張って帰れる」

 ――全12球直球、149キロ出ていたが、全てを出し尽くしたか。
 「どうでしょう。明日、もしあれば149キロや150キロになるかもしれないので、それは、こんどは本当に野球が大好きな、野球をプレーすることも大好きな、人たちが世の中にはたくさんいて、今年のコロナで、そういうスポーツというのがなかなかできないので、自分もそういうところで、楽しめたら。忙しくはなると思うんですけど、野球が好きなので、そこは、少し親父にも相談して、どうしよっかとか、やろっかな、と母親にも相談して。というふうには思います。プロの世界でというのは、もう十分。これだけ最後に気持ちよく送り出していただいて。涙涙ではなくね、次のステージに行ってもみなさんに、夢とか希望とか目に見えないものを、感じてもらいたくて野球やっていたので、これからもそういう姿を見つけられるように、人生を楽しんでいきたいなと思います」

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