【阪神退団の能見と一問一答】「まさか大山まで泣いてるとは思わなかった」

[ 2020年11月11日 22:33 ]

セ・リーグ   阪神1-0DeNA ( 2020年11月11日    甲子園 )

<神・D24> ファンの声援に応え甲子園のグラウンドを1周する能見 (撮影・平嶋 理子)
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 阪神での最終登板を終えた能見篤史投手(41)が、試合後に取材に応じ、思いを語った。

 ――どんな一日に。
 「そうですね。16年という本当にお世話になった球団で、感謝しかないところでの最後のマウンドということで。なんか、楽しめたというか、半分ドキドキしながら、まさか1―0で回ってくると思ってなかったので、その両方で投げてましたね」

 ――今日の投球を振り返って。
 「感謝の思いというところで、ファンの方もそうですし、もちろん球団もそうですし、そういう思いを心にしまいながら、何とかいい姿で最後お見せしようと思って、そんな感じで上がりました」

 ――ワインドアップを解禁。
 「それはもう決めてたんで。ちょっとタイミング合わなかったですけど」

 ――なぜ決めていたのか。
 「恩返しというか、もともとね、テレビとかのね、映る姿もそこをアップにして撮ってくれたりとかっていうのもすごくあって。そういう代名詞と浸透してたんで、何とかそれを実現しようと思って。9回と決まってたので、走者いないところで投げれるんで」

 ――最速149キロ。
 「ちょっと先頭が出てヒヤヒヤしたんですけど、何とか運良くゲッツーになったので、もう一度ワインドアップできるなということで最後は楽しませてもらいました」

 ――試合も勝勝利。その瞬間は。
 「うーん。そうですね、終わったなという感じもあんまりしてなくて。“ちょっと休んで練習出るんかな”みたいなそんな感じやったんですけど、これからちょっとね、そういったのも徐々に感じてくるんだと思います」

 ――泣いてる選手もいた。
 「いや、まさか大山まで泣いてるとは思わなかった。梅野もマウンド来た時からもう泣いてたので、嬉しいなと思いながら」

 ――その後グラウンド1周。
 「退団という形なのに、そうやっていい雰囲気で場所をつくってくれたのでありがたかった」

 ――阪神での16年間を振り返って。
 「苦しい時の方が多いんですけど、それでも16年間できたというのはなかなか想像してなかったですし、その中でもファンの方の力であったりとかは非常に力になった。16年間でいろんな捕手に受けてもらったんで、それはなかなかできないことだなと思って。長くしないといろんな捕手に受けてもらえない。一番の財産かなと」

 ――1番印象に残っているシーンは。
 「1試合だけというところではなかなか難しいんですけど。その年にジャイアンツ戦で全カード投げたというところはなかなかできないんじゃないかと思う。相性も良かったとかいろいろあったんですけど」

 ――最後は直球で三振。今後につながる直球ととらえたい。
 「僕はそのつもりで投げたんですけど。フォークで空振りを取ろうと思っていたんですけど、バットにしっかり当てられてたんで。結果的に良かった」

 ―まだ投げ続けたいと思ったか。
 「はい。見ての通り元気なので。まだまだもう少し納得いくところまでやりたい」

 ――チーム最年長投手として若い投手に伝えたいことは。
 「悔いなくやってもらうのが1番ですし、16年間お世話になりましたけど、短いもので、しっかりと戦力になってる間ってすぐ終わってしまうので、1日1日を悔いなくやってほしいなと思います」

 ――嫌がっていた抑えのマウンド。
 「抑えちゃう。たまたま。まあ、まさかのそういうところで回してもらえるとは」

 ――舞台が用意されたのも運命では。 
 「どうなんですかね。まあでも、こういう巡りあわせで。なぜか大阪ガスの後輩のチカ(近本)がしっかり打って先輩に回して、とんでもないプレッシャーをかけてくれました。いい巡りあわせもありましたし、本当に球場のファンの方々がそういうのを引き出してくれたのかなと思います」

 ――胴上げが始まりそうな雰囲気も。
 「そういう雰囲気がすごい出たので。世間的にも…ね。球児がやってないのに僕がやるのは。そこはね」

 ――岩貞にウイニングボールを渡した。
 「サダが7勝目なので、ちゃんと渡そうと思ったら、1回拒否られたので。僕のために取っておいてください、という感じだった」

 ――渡せたのか。
 「はい。僕の意思とともに…、引退じゃないんだから」

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2020年11月11日のニュース