球児引退 ブルペン捕手が見たすごさ 命がけの全力投球「3回連続で打たれたら辞める」

[ 2020年11月11日 05:30 ]

阪神・藤川球児引退試合 ( 2020年11月10日    甲子園 )

試合前のキャッチボールを終え、片山ブルペン捕手(左)とグータッチする藤川(撮影・椎名 航)
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 現役時代から藤川の球を受け、裏方に転身後は“専属”として支えた片山大樹ブルペン捕手(45)が秘話を明かした。

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 僕がブルペン捕手になったのと、球児が1軍で活躍し始めたのは同時期でね。球児と一緒にやってきて、僕も勉強させてもらった。感謝しかないです。

 抑えをやり始めた頃かな、ゲームに入る前に「大樹さん、僕の球を受けてください。命がけで受けてください。僕も命がけでやるんで」と言ってきた。まだ若かったのにすごい覚悟があった。昔から「投げられなくなったら辞めます」、「3回連続で打たれたら辞める」とずっと言っていた。40セーブも挙げている年でもですよ。常に一球一球全力で投げていたんだと思います。

 球児の真っすぐには「高め」の印象があると思います。でも、受けていた僕は低めの球の伸びが他とは違うなと感じていた。そりゃあ、もちろん、高めの球はえげつないけど、“低めの球が落ちてこない”という感覚でした。

 肉体的な素材としては今の若い子の方がすごいと思う。でも、球児は全身の力を足、腰、背中、腕、顔、頭の先まで使って指先に集中して、爆発できているという感じ。持っている力を最大限、球に伝えられる。そういう力が乗った球というのは、不思議な球になるんですよ。投げる天才というところですかね。 (談)

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