球児夫人が知る夫の苦闘「休日もプロ選手・藤川球児」だからこそ“おめでとう”

[ 2020年11月11日 06:45 ]

阪神・藤川球児引退試合 ( 2020年11月10日    甲子園 )

<神・巨24>始球式を務める長男のボールを受ける藤川(撮影・椎名 航)
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 【藤川球児夫人観戦記】掛ける言葉は2つあります。お疲れさまでした。そしておめでとう。22年間にわたる野球生活の終わりで、ここまでやってきたことへの「お疲れさま」と、悔いなくやり切ったというところでの「おめでとう」です。よくここまでやってこられたなと心から思います。

 プロ野球選手という職業で、私も家族として、ずっと一緒に戦っている気分でした。思い出もたくさんあります。初勝利も記憶に残っていますが、03年4月11日の巨人戦は9回に2アウトから後藤選手に同点のホームランを打たれました。あの時は本人もそうですし、私もすごく悔しい気持ちになったことを覚えています。

 休日もずっとプロ野球選手・藤川球児でした。常に野球の事を考えていました。試合の結果によっては気持ちの浮き沈みもありました。打たれた試合を見ると、本人は落ち込んでいるだろうなと、側にいてひしひしと感じていました。それでも家族で会話をして一緒になって喜んだり、悔しがったりできたというのは思い出です。

 これでプロ野球選手は卒業ですが、これからは今までできなかった趣味とか、楽しんでもらいたいと思っております。

 《長男の始球式でプレーボール》引退試合の始球式は、長男が務めた。背番号22のユニホーム姿でマウンドに上がると、捕手を務めた父・球児に向けてオーバースローで見事なノーバウンド投球。「(捕手が)最初は梅野さんだと思っていたので、緊張しましたけど安心しました。(父は)全てにおいて憧れ。お疲れ様としか言葉は出てこないですね」。愛息のナイスピッチに、藤川は満面の笑みを見せていた。

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2020年11月11日のニュース