ヤクルト全力慰留!FA山田哲に7年45億円、球団の顔に超異例の長期契約提示

[ 2020年11月11日 05:31 ]

<ヤ・広>初回1死一塁、ファウルの後に気合十分の山田哲(撮影・会津 智海)
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 ヤクルトの山田哲人内野手(28)が今季途中に取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性があることが10日、分かった。宣言残留も認める方針の球団はすでに交渉を進めており、最長7年で総額約45億円の超大型契約を提示しているとみられる。一方で権利を行使すればソフトバンクを筆頭に複数球団が興味を示すもよう。動向に注目が集まる。

 日本球界史上初の3度のトリプルスリー達成者。その去就は2年連続最下位に低迷したチームの命運を握る。この日で1軍全日程が終了。山田哲は保有するFA権について「入団して一生懸命プレーをしてきて自らの身の振り方をじっくり考えるのも初めてなので、じっくり考えたいと思います」と話したが、周囲には「もちろんヤクルトに愛着はある。でも、せっかく取った権利だし、純粋に他球団の評価を聞いてみたい気持ちもある」と明かしており、権利行使に踏み切る可能性はある。

 宣言残留も認める方針の球団はシーズン中から複数回の残留交渉を行ってきた。複数の関係者の話を総合すると、この日までに今季年俸5億円の山田哲に最長で7年、総額約45億円という超大型契約を提示したとみられる。過去に主力選手と複数年契約を結んだ例はあるが7年は超異例。山田哲の功績に敬意を表し、今後もチームの顔で君臨してほしいという期待の表れといえる。

 山田哲のチームへの愛着は強いが、その去就を複数球団が注視している。なかでも、最も興味を示しているのがソフトバンクだという。今季も二塁のレギュラーは不在。先発出場は周東の53試合が最多で、川島の31、牧原の18と続く。主軸は中村、柳田と左打者が多く、右打ちの二塁手である山田哲は補強ポイントにも合致する。行使すれば獲得に動きだすとみられる。

 今季の山田哲は上半身のコンディション不良に苦しみ、94試合で打率・254、12本塁打、52打点と本来の力を発揮できなかった。それでも15年に史上初めて本塁打と盗塁のタイトルを同時に獲得し、同年、16、18年と3回もトリプルスリーを達成。まだ28歳という若さも大きな魅力だ。

 「年数とか金銭じゃなく、山田は“やりがい”を求めている」と話す関係者もいる。山田哲が熟考を重ねる。

 ◆山田 哲人(やまだ・てつと)1992年(平4)7月16日生まれ、兵庫県出身の28歳。大阪・履正社では3年夏に甲子園出場。10年ドラフト1位でヤクルト入団。14年に日本人選手右打者シーズン新記録となる193安打。15年は史上初の本塁打王&盗塁王の同時獲得を果たした。15、16、18年にトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成。17年WBC日本代表。1メートル80、76キロ。右投げ右打ち。

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