日本ハム・上原、覚醒1勝 遅れてきた「和製ランディ」制球難克服1四球9K「やっと勝てた」

[ 2020年9月25日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム12ー2西武 ( 2020年9月24日    メットライフD )

<西・日>ウイニングボールを手に笑顔の日本ハム・上原(撮影・小海途 良幹)
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 日本ハムの上原健太投手(26)が24日、西武戦で7回5安打2失点(自責1)で今季初勝利。15年ドラフト1位で入団しながら制球難に苦しみ続け、毎年のように打者転向が噂されてきた左腕が「覚醒」を予感させる好投を続けている。

 制球難で自滅していたかつての姿はない。まさに覚醒だ。今季4試合全てで自責点は1点以下。身長1メートル90で入団当初は「和製ランディ・ジョンソン」と期待を集めた上原が、西武打線をねじ伏せ今季初勝利を手にした。

 「やっと勝てて、1つ勝つことの大変さを知りました。あまり調子は良くなかったけど、しっかり変化球を低めに投げられました」

 3点リードの3回に味方の失策から失点。なお1死満塁は栗山、メヒアの中軸をフォークで連続三振に斬った。4回は中村にソロを浴びたがこちらも追加点は許さず。「1点でしのげたのが一番良かった」とうなずいた。

 太れない体質で体重83キロのモデル体形が悩みだったが、コロナ禍の自粛期間中に食事摂取量を増やした。外出制限がかかる中でフードデリバリーサービス「ウーバーイーツ」を利用してハンバーガー中心の食生活で9キロ増の92キロ。左肩痛で出遅れたが、今季初登板だった今月2日楽天戦で自己最速を1キロ更新する153キロも計時した。この日も初球ストライク率は64%で与四球はわずか1。体重増で球威も上がり、コースを狙わずに大胆に投げられていることが成績につながっている。

 明大から15年ドラフト1位で入団も1年目の紅白戦では大炎上も経験し、昨季までわずか6勝。「こんなものじゃない」と潜在能力の高さを信じていた栗山監督は「絶好調じゃない時に、どうやってまとめるか、という成長を待っていた。そういう意味では内容のある投球だった」と目を細める。

 投手ながら身体能力の高さで打撃の飛距離は中田にも引けを取らず、たびたび野手転向も噂されてきたが、投手へのこだわりは強い。「最後まで戦い抜きたい」と上原。首位・ソフトバンクと7・5ゲーム差という苦境で、遅れてきた大型左腕が輝きを増している。(東尾 洋樹)

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