“大谷似”楽天・下妻 球団最遅8年目の1号 打点も初&完封リード「気持ち良いです」

[ 2020年9月25日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天3―0ロッテ ( 2020年9月24日    楽天生命パーク )

<楽・ロ>2回裏2死から左越えに下妻がプロ初本塁打を放ちナインに迎えられる(撮影・長久保 豊)
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 楽天の下妻貴寛捕手(26)が24日、ロッテ戦の2回に左翼席に弾丸ライナーで決勝のプロ1号。戦力外や育成契約など苦労を重ねた8年目が、守っても5投手を粘り強くリードして無失点リレーを完成させ、今季初の5連勝に貢献した。残り37試合で首位・ソフトバンクとは4・5ゲーム差の3位。逆転Vへ、一戦必勝の戦いは続く。

 遅咲きの苦労人が、カクテル光線を浴びた。8年目で放ったプロ3安打目が初本塁打となり、そして決勝弾に。山形県出身の下妻は、もちろん初のお立ち台で「いっぱいの方に見られるのは恥ずかしいけど気持ち良いです」と声を張り上げた。

 2回2死の第1打席。岩下が投じた初球の147キロ直球を見逃さなかった。尊敬する城島健司氏(現ソフトバンク球団会長付特別アドバイザー)の現役時代を参考にしたコンパクトなフォームで左越えソロ。球団では銀次、枡田の7年を抜き最も遅い8年目での初アーチだった。守備も好リードで完封リレーを完成。「捕手をやっていて完封が一番気持ちいい」とうなずいた。

 酒田南では1年生から不動の正捕手で同学年の花巻東・大谷(現エンゼルス)や光星学院・田村(現ロッテ)が東北地区のライバルだった。入団当初は星野監督からも「(顔や体形が)大谷に似ている」と言われるなど話題を集めたが、結果が出ず。18年春に右肩を痛めた。同年オフに戦力外となり、育成で再契約。昨季は2軍戦でも出場機会に恵まれず6月に独立リーグのBC埼玉に派遣された。

 バットやボールなど用具はボロボロでグラウンドキーパーもいない。それでもこの経験が転機となる。「選手の目はみんな輝いていた。自分は恵まれていたんだと感じた」。感謝と同時に反骨心も増し今年2月に支配下復帰。1軍で初めてスポットライトを浴び「(大谷、田村らが)高校では同じステージにいたのにプロに入って力の差を感じた。いつか彼らに追いつきたい」と言葉に力を込める。

 チームは5連勝。まだ逆転優勝を狙える位置にいる。前回13年の優勝は1年目で1軍出場がなかった下妻は「違うチームが優勝したような感覚だった。自分が関わって優勝したい」と言う。決して順風満帆ではなかった「下妻物語」は、まだまだ続く。(重光 晋太郎)

【下妻 貴寛(しもつま・たかひろ)】
 ☆生まれとサイズ 1994年(平6)4月15日生まれ、山形県酒田市出身の26歳。1メートル86、85キロ。右投げ右打ち、遠投100メートル。
 ☆選手宣誓 12年夏の甲子園で酒田南(山形)の主将として選手宣誓を務めた。「東北出身として言葉で被災者にメッセージを送れた。全力でプレーする姿が勇気や希望、励みになれば」と振り返る。
 ☆派遣 18年オフに戦力外通告を受け、育成契約。昨年は独立リーグのBC埼玉に派遣され、実戦経験を積んだ。今年2月に支配下として再契約。
 ☆幻の背番号19 12年のドラフト指名後、球界を代表する捕手に、と願った星野監督が「球団と話し合って」と前置きした上で06~09年に野村克也元監督が背負った背番号19をプレゼントするプランを明かした。結果的には39となった。

 ▽下妻物語 原作は嶽本野ばら氏による小説で、04年に深田恭子と土屋アンナのダブル主演で公開された映画が大ヒットした。深田がロリータファッションを愛する女子高生を、土屋がヤンキー女子高生を好演。茨城県下妻市を舞台に、価値観が真逆な2人の友情と成長を描いた青春コメディー。日本において多くの映画賞を受賞した他、海外の映画賞も受賞した。

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