【阪神ドラフト戦略・野手編】近大・佐藤、中大・牧…補強ポイントは強打の内野手

[ 2020年9月25日 07:00 ]

近大・佐藤輝明
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 10月26日のドラフト会議に向け、スポニチ大阪本社では阪神の野手陣、投手陣の年齢分布(外国人、育成選手は除く)を一覧表にまとめ、それぞれの補強ポイントを分析。最適と考えるドラフト1位選手を探り出す。本日は「野手編」。阪神に必要な新戦力は20代前半の内野を守れる将来のスラッガー候補で、近大・佐藤輝明、中大・牧秀悟両内野手が双璧候補だ。

 阪神の今オフの補強ポイントは野手陣の年齢分布を見ても分かる通り、20~25歳で、内野を守れるスラッガー候補だ。すでに三、一塁に加えて外野も守れる大山がいるが、逆に言えば、大山以外に長打力のある内野手がいない。理想としては、もう一人、長打力が持ち味の内野手がほしいところ。そこで白羽の矢が立つのは、球団のお膝元の兵庫県西宮市出身、近大・佐藤だ。

 1メートル86、92キロの堂々たる体格で、スイングスピード160キロ、左右の握力75キロ、ベンチプレス130キロのパワーを誇る。そこに50メートル走6秒0の俊足と遠投100メートル以上の強肩を兼備する「超人」。守備位置も三、一塁を守れる上、大学で外野手としての経験も豊富。チーム編成上、内野での出場が難しい場合では外野で起用できるユーティリティー性を持ち合わせる。ベテランの福留、糸井の後継者に、なりえる逸材だ。

 今年8月16日には阪神2軍とのプロアマ交流戦で4打数2安打1盗塁と、改めて即戦力の実力も証明した。小6時にはタイガースジュニアに選出された縁もあり、まさに阪神の補強ポイントに合致する筆頭候補と言える。

 その佐藤に匹敵する候補が、中大・牧だ。1メートル78と佐藤よりも一回り背は低いが、ガッシリした体にはパワーがみなぎる。大学3年時には日米大学野球・日本代表の主砲として主に4番を務め、全5試合に出場。第4戦では本塁打も放った。さらに今年8月13日には巨人2軍とのプロアマ交流戦で1軍実績もある桜井から右越え本塁打を記録し、プロ相手に実力を証明済みだ。

 その最大の魅力は強打に加え、二塁と遊撃を守れる点だ。大学レベルで二遊間を守れる守備力があるということは、三、一塁にも十分、対応可能。投手、捕手以外の内野全ポジションを守れる強打者はプロでも希少で、まさしく逸材候補だ。

 野手陣は上記した強打の内野手に加え、福留、糸井の後釜候補として強打の外野手も補強ポイントとなる。特に阪神は10代選手の層も薄いため、その対象は高校生が理想だ。

 上位候補としては明石商・来田、中京・元らが有力となる。来田は高校通算34本塁打を誇り、走攻守3拍子が揃った阪神・糸井タイプの好選手。1年夏から3季連続で甲子園に出場し、通算3本塁打と大舞台でも躍動してきた。元は1メートル86、85キロの恵まれた体格から長打を量産するスラッガー。高校通算13本塁打ながら、昨年のドラフト2位・井上とともに右の和製大砲候補として期待できる。また内野手では打力のある履正社・小深田、本来は捕手ながら遊撃でも軽快な動きを見せる星稜・内山、大型遊撃手の中京大中京・中山らが候補に入る。

 今年の阪神の補強ポイントである「内野を守れるスラッガー」は毎年、出てくる素材ではないため、佐藤、牧がいる今年は当たり年と言える。ただ近年のように、今後も一塁や外野の一角を助っ人で補う戦略を継続するというならドラフト戦略の方向性も変わってくる。その場合は上位指名で投手補強に重点を置き、中位から下位で高校生野手の補強を狙うことになると見る。(惟任 貴信)

 ◯…内野を守れる強打者と、高校生野手に加え、20~25歳の捕手も補強ポイントと言える。その年齢層に該当する大学生捕手では、強肩強打で大学日本代表にも選出された上武大・古川、二塁送球タイム1・8秒台の強肩を誇る立命大・栄枝の評価が高い。また社会人では総合力の高いNTT西日本・辻本が即戦力候補。高校生捕手では元阪神・関本賢太郎氏を父に持つ履正社・関本も強肩と勝負強い打撃の評価が高く、候補に入ってくる。

 ◯…阪神は15年オフの金本前監督就任時から生え抜き野手育成重視の方針に転換したため、直近5年間のドラフト1位5人のうち実に3人までが野手となった。その結果、1年目に新人王を獲得した15年1位・高山こそ2年目以降は伸び悩んでいるが、16年1位・大山、18年1位・近本が期待通りレギュラー定着。また16年5位・糸原、18年3位・木浪ら中位から下位で獲得した選手も主力に育っており、近年の野手補強は成功を収めている。

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