筒香 特大7号&6度目マルチ MLB史上初“左伝説”に名前刻んだ「本当にいい一日だった」

[ 2020年9月13日 02:30 ]

ア・リーグ   レイズ11―1レッドソックス ( 2020年9月11日    セントピーターズバーグ )

<レイズ・レッドソックス>タッチを交わすレイズ・筒香(AP))
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 レイズの筒香嘉智外野手(28)が11日(日本時間12日)、本拠地でのレッドソックス戦に「6番・三塁」で先発出場。2回の先制7号ソロ、7回の中前適時打など5打数2安打2打点で、今季6度目のマルチ安打をマークした。両打ち打者なしの左打者9人で先発オーダーを組んだのは、近代野球とされる1901年以降でメジャー初。筒香が歴史に残る左打線の主役となった。

 メジャーリーグのオーダー用紙は、左打者を赤い字で書く球場がある。レッドソックスのロン・レネキー監督は試合前に手元に届いたその紙を見てこう思った。「全部、赤い字だった。これまでに見たことがないし、間違っていると思った。しかも、先発も左ピッチャーだし…」。冗談かと思った左打線に一杯食わされた。

 抵抗はした。初回を無失点に抑えた先発右腕・トリッグスを2回から左のホールにスイッチ。だが、そのプランを打ち砕いたのが先頭の筒香だった。中越えへ自身メジャー最長となる437フィート(約133メートル)の先制7号ソロ。「元々左が嫌という意識はない。知らない投手だったし、そんなに嫌だなという認識はなかった」とオール左打線が交代なしで12安打11得点する号砲となった。

 レイズのベンチ入り野手15人のうち左打者は9人。全員が先発出場した。レッドソックスのベンチ入り15投手のうち、11人が右投手だったが、それだけが史上初の純左打線の理由とはならない。

 なぜオール左の打線が組めたのか。レイズだからこそのチーム編成が理由だ。チーム総年俸は30球団中28位で、高年俸のスーパースター不在。逆に変幻自在のオーダーが可能になる。ヤンキースのジャッジや、エンゼルスのトラウトなど右の強打者がいた場合は組めない打線だ。

 資金力不足を補うために低年俸で専門性の高い選手を集め、データに基づいた生産性を重視。失点の確率が高い初回に力のある救援投手を起用し、2回から本来の先発を投入する「オープナー」を考案したのもレイズだった。筒香獲得も、外野のみならず三塁も守れるユーティリティー性を評価。ケビン・キャッシュ監督は「今季は何人かの左打者を補強した。全員がホットになることを願っていたけど、ナイスだったね」としてやったりだ。

 「球聖」T・カッブや「アイアン・ホース」L・ゲーリッグ、そしてB・ルースなど歴代の左の強打者も加わることがなかった純左打線。歴史的打線の主役として3連敗を止め、地区首位を守った筒香は「凄くいい結果が出たし、チームの連敗が止まって本当にいい一日だった」と満足そうだった。

 《「8人」では26回》○…球団公式サイトによると、先発メンバー全員に両打ちなしでの左打者を並べるのは1901年以降では初めてで、これまでの最多は8人で過去に26回。両打ちも入ると、12年にインディアンスがダルビッシュ(レンジャーズ)と黒田(ヤンキース)との対戦で両打ち2人を含む左打者9人を起用。

 ○…日本では星野仙一監督率いる楽天が、12年7月7日西武戦で9人全員が左打ち(両打ちの松井稼頭央を含む)の先発オーダーを組んでいる。これは、右下手投げの牧田(現楽天)対策で、12―1と大勝した。また、今季はヤクルトが7月30日阪神戦で相手の藤浪に対し捕手の西田を除く8人が左打者という先発オーダーを組み6―0で勝っている。

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