担当記者が語る楽天・渡辺直「ノムさんに認められたリーダーの資質」「人の気持ちを考え人のために行動」

[ 2020年9月13日 05:30 ]

今月10日、ホームランを放った岩見を出迎える渡辺直(右から2人目)(撮影・白鳥 佳樹)
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 【07~09年楽天担当・春川 英樹】楽天担当1年目の07年。田中、嶋らルーキーたちの最年長が渡辺直だった。打撃練習でフライを連発すると、野村監督が「出塁して盗塁して1億稼ぐんだろ。何だあの練習。今度やったら、ぶん殴るぞ」とベンチで公開説教。担当3年間で見たノムさんの一番怖い顔と怒声だったが、野村流「無視・称賛・非難」の評価では最もいい非難。リーダーの資質を認められていた。

 2年目から1月の自主トレに同行した育成選手の費用を全額負担。どの球団でも兄貴分として慕われた。西武時代の17年10月。携帯電話が鳴り「戦力外になりました」と告げられた。電話を切った後、すぐに楽天の球団関係者に電話すると「動きます」と言ってくれた。大好きな仙台で現役生活の最終章。渡辺直の人望があってこそだった。

 【16年西武担当、19~20年楽天担当・重光 晋太郎】球界に渡辺直を慕う選手は多い。昨年、西武から楽天にFA移籍した浅村もその一人だ。いつも「今こうしてやれているのは直人さんのおかげ」と兄貴分への感謝を口にする。

 打点王に輝いた13年。シーズン中に調子を落とした時期があった。「来た球を自然に打ち返すのがアサの良さなんだから。考えすぎずシンプルに打てばいい」と助言され、その日3ランを放った。「移籍してからも直人さんに頼りっぱなしです」。右も左も分からない新天地で、サポート役としてチームに溶け込む手助けをした。

 昨年11月末、ロッテからFA移籍した鈴木大が本拠地を訪れた時だった。接点はなかったが、施設内で偶然顔を合わせると「ウエルカム・トゥー、仙台!同じチームになったらファミリーだから」と満面の笑みで歓迎された。今では一番の相談相手になっている。

 3球団でプレーした経験があるからこそ、環境が変わる大変さが痛いほど分かるのだろう。人の気持ちを考え、人のために行動する。それが渡辺直だ。

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