【スケートボード】“開拓世代”の影響受けた2人が結果―本間章郎の目

[ 2021年7月27日 05:30 ]

東京五輪第4日 スケートボード女子ストリート ( 2021年7月26日    有明アーバンスポーツパーク )

予選に臨む西矢(右)と中山(撮影・会津 智海)
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 西矢はベストトリック3回目の成功で完全に流れを変えた。元々メーク(成功)率が高い選手。自分の得意技を完璧にこなしたことが今回の勝因だろう。そもそも世界ランキング1位を含むブラジル勢2人が予選落ちし、大番狂わせの決勝だった。上位がある程度固定された中でプレッシャーをはねのけた強心臓と安定感はさすがだった。

 西矢は小学生から見ているが、当時は身長が低くて体重が軽く、技術があっても迫力がなかった。だがあの年代は1年で一気に身長が伸びる。体格がしっかりして高いレールにも入れるようになり、一個一個の技の完成度が増した印象だ。中山は緊張から普段の力を発揮できないことがあるが、この日は楽しそうに堂々と滑っていた。仲が良い西矢の存在も結果につながったように見える。

 日本勢が米国、ブラジルをしのぐ強豪になったのは、環境の変化が背景にある。日本はスケートボードへの理解が少なく施設面も恵まれてはいなかったが、西矢、中山ら若い選手は徐々に環境が改善されてきた世代。そして何より、女子は西村、男子は堀米といった日本のトップ選手が世界で活躍し、国際大会の出場や米国に渡る道を切り開いたことが大きい。その影響を一番受けた世代が、今回の女子ストリートで結果を残したと言える。(日本スケートボード協会競技委員)

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2021年7月27日のニュース