日本 米にサヨナラ負けも上野&後藤温存 27日決勝でリベンジへ

[ 2021年7月27日 05:30 ]

東京五輪第4日 ソフトボール1次リーグ   日本1ー2米国 ( 2021年7月26日    横浜 )

<日本・米国>先発マスクをかぶった峰(AP)
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 1次リーグ最終戦で既に決勝進出が決まっている日本と米国が対戦した。日本は1―2でサヨナラ負けしたものの、エース上野由岐子投手(39=ビックカメラ高崎)を温存。峰幸代捕手(33=トヨタ自動車)は13年ぶりの五輪先発マスクで相手打線のデータを集めた。27日午後8時開始の決勝で、2008年北京五輪に続く2大会連続の頂点を狙う。

 上野は一度も肩をつくらなかった。サヨナラ負けをベンチで見届けた。どんな展開になってもこの日は投げる予定はなかった。先発完投をした藤田の投球にどう反応するか。米国打線を頭に入れた。

 「倭(藤田)がいい形で投げてくれていたので、凄くいいデータが取れたと思う。それを踏まえて、対戦のイメージをつくっていけたらいい」

 両軍ともに27日の決勝で激突することが決まっているため、互いに手の内を隠すオーダーだった。米国の2本柱、アボットは7回に1イニング、オスターマンは6回に2人だけ投げた。決勝の先発が絞りにくくなる起用だった。

 対する日本は、前日カナダ戦から打順を大幅に組み替えた。33歳の峰が今大会初先発マスクをかぶった。外の変化球と内の速い球を使い分け、藤田の6回1死までのノーヒット投球を支えた。

 「どこが打てるのか、どのコースに強いのか、明日につながる配球を心がけた。手応えはある。決勝に必ず生かしたい」

 峰は日本の頭脳だ。トヨタ自動車でアボットとバッテリーを組む。球種も球筋も把握。捕球時にミットを少しでも動かすと怒り、カフェオレのコーヒーと牛乳の比率まで神経質な左腕の性格も、熟知している。

 この日は、最新の米国打線のデータを身をもって集め、正捕手の我妻に伝える役目で出場した。試合後、取材エリアで涙を流した。北京五輪の金の後、14年に一時引退。2年の空白を経て復帰し、この五輪は3番手の捕手で滑り込んだ。「13年、いろいろあった。出られて幸せだった」。次に流す涙は、13年前味わった、あの歓喜の涙になるはずだ。

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2021年7月27日のニュース