八村 両軍最多タイ20得点奮闘、一時同点の3P 世界2位スペイン驚かせた

[ 2021年7月27日 05:30 ]

東京五輪第4日 バスケットボール男子1次リーグ   日本77―88スペイン ( 2021年7月26日    さいたまスーパーアリーナ )

<日本・スペイン>第2Q、カットインからダンクを決める八村(右)=撮影・小海途 良幹
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 45年ぶりの五輪出場となった日本は、1次リーグ初戦で19年W杯王者のスペインに77―88で敗れた。23日の開会式で日本選手団旗手の大役を務めた八村塁(23=ウィザーズ)はチーム最多の20得点。一時同点となる3点シュートを決めるなど奮闘したが、格上には及ばなかった。日本は29日の第2戦で世界ランク16位のスロベニアに挑む。

 これが世界の壁なのか。試合終了後、ベンチに座っていた八村はタオルで顔を覆い、しばらく動けなかった。両隣にいた海外組の渡辺雄、馬場もぼう然と会場を見渡していた。W杯優勝の強敵と11点差の善戦だったが、NBAスターのルビオに得点を重ねられ、第2Qには20点差まで広げられた。「スペインは経験のあるチーム。経験の差が出たと思う」。現実を理解しながらも、八村は悔しさを押し殺した。

 足跡は残した。23―26の第2Q序盤、八村は中央から一時同点の3点シュートを沈めた。渡辺雄とジャンプし、NBA選手同士で胸タッチ。26―45とワンサイドに傾いた第2Q残り1分には、相手の激しいマークをかいくぐり、左手で豪快なダンク。味方を鼓舞するように吠えた。猛追を見せた第4Qには2本目のダンクや2連続の3点シュートで意地を見せた。相手のルビオと並んで両軍最多タイの20得点だった。

 初の五輪舞台に立った。会場のさいたまスーパーアリーナで行われた2年前、19年8月の国際親善試合4試合は連日満員だった。だが、今回は無観客で雰囲気は違う。試合前、チームで話し合った。「2年前に多くの人の前で試合をした。今回はみんながテレビで見てくれている」。リードを許しても、最後まで足を止めなかった。

 18日の強化試合フランス戦では16点7リバウンドの活躍。23日の開会式では旗手を務め、モチベーションは最高潮に達していた。初戦は強敵に黒星を喫したが、まだ試合は残っている。「チームも自分も初めての五輪で、良い経験になった。あと2試合、映像を見て準備したい」。今後も格上との厳しい戦いが続くが、下を向くにはまだ早い。

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