首相秘書官差別発言は“ミス”なのか…本田圭佑が乙武氏とやり取り「一回目から許さないってことではない」

[ 2023年2月6日 15:47 ]

本田圭佑(左)と乙武洋匡氏
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 岸田文雄首相の秘書官・荒井勝喜氏(55)が差別発言で更迭されたことを受け、サッカー元日本代表MFの本田圭佑(36)は5日、自身のツイッターで「クビにするべきじゃない」などとコメント。この投稿に作家・乙武洋匡氏(46)が反応し、ツイッターで議論を繰り広げた。

 荒井氏は3日夜、LGBTなど性的少数者や同性婚の在り方などを巡り「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と記者団にコメント。首相の同性婚に関する国会答弁を巡り、オフレコを前提にした記者団の非公式取材に官邸で応じた際の発言だった。同日夜、荒井氏は「誤解を与えるような表現で大変、申し訳ない。撤回する」と述べたが、首相は4日、「言語道断の発言」とし、荒井氏の辞意を受けての更迭を決めた。

 本田は4日夜、「同性婚。認めればいいだけ。簡単なこと。反対意見の真意は想像つく。でもこの流れは止められないし、止める必要もない」とツイート。その後荒井氏が更迭されると、5日朝に「クビにするべきじゃない。本人も口に出したことが悪いと思ってるなら謝ればいいし、許せないってのはtoo much。1つのミスで人落とすこの社会システムこそが多くの人を苦しめてる原因でもある。それが新しいことへの挑戦の壁になってる。それか前からクビにしたかっただけなのかもね」と投稿。「秘書としての能力が足りなくてのクビは仕方ない。プロの世界」と付け加えた。

 この投稿を受け、乙武氏は「たとえば決定機にシュートを外すという“ミス”を犯した選手には寛容であるべきだと思うんですけど、『○○人とは同じチームでプレーしたくない』と発言した選手にも寛容であるべきかは疑問が残ると思うんですよね。こうした発言も“ミス”と捉えるかは、人によって判断が分かれそう」とツイートし、荒井氏の発言は“ミス”なのかと疑問を投げかけた。続けて「『日本』という国をチームに例えるなら、監督が差別発言をしたコーチに寛容な態度を示すことで、差別の対象となった選手たちは、おそらくそのチームにいることを苦痛に感じるでしょう。少なくとも誇りには思えない。よって、国やチームのトップが『差別は許さない』という態度を示すことは重要かなと」と説明し、岸田首相の判断は妥当との認識を示した。

 本田は、ミスかどうか判断が分かれることに同意しつつも「でも僕は許せないってのは厳しい社会だなと思ってます」と自身の考えを披露。そして「差別は許さないって僕も同じ考え方なんですが、でも一回目から許さないってことではないじゃないですか。言った人の意図とか、その後の対応によって許すか許さないかを判断するのがいいかなと」と“一発アウト”の判断への疑問をつづった。

 乙武氏は荒井氏に「あまり反省の様子が感じられない」とし、「職に留まることは適切ではない」と説明。そして「私自身は『許す、許さない』という判断基準ではなく、『その人がその職(任務)に適しているか否か』という判断基準で考えているんだな」と判断基準の違いに言及。最後は「丁寧にやりとりしてくださった本田さんに、あらためて感謝します」と議論で得た収穫に感謝すると、本田は“ありがとう”と手を合わせる絵文字で返信していた。

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2023年2月6日のニュース