ロバート・キャンベル氏 岸田首相の同性婚巡る発言に「自民党の保守層と言われる一部議員が強硬に…」

[ 2023年2月6日 09:28 ]

ロバート・キャンベル氏
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 日本文学研究者で東大名誉教授のロバート・キャンベル氏が6日、日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜前8・00)に出演。岸田文雄首相の同性婚の合法化巡る発言について言及した。

 同性婚の法制化を巡り、岸田首相は1日の衆院予算委員会で「極めて慎重に検討すべき課題だ」と指摘。同性カップルに結婚の自由を認めようとしない理由について「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と説明していた。この問題に関連し、首相の秘書官・荒井勝喜氏は3日夜、LGBTなど性的少数者や同性婚の在り方などを巡り「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と記者団にコメント。首相は4日、「言語道断の発言」とし、荒井氏の辞意を受けての更迭を決めた。

 2018年に自身のブログで同性のパートナーの存在を公表し、社会の中でのLGBTに対する扱いなどについてSNSで発信しているキャンベル氏は、荒井氏の発言の1つの背景は、国勢調査の中でLGBTなど性的少数者の実態調査が進まないことだと指摘。調査が進まない理由について「日本の政治機構の中で、特に与党自民党の中で保守層と言われる一部の議員たちが強硬に性的少数者に対する配慮、法整備ということを頑なに拒んでいる。7年前に自民党の中から超党派のLGBT理解増進法を目指そうというワーキンググループをつくってコツコツとやっているわけですけど、1センチも動かない。昨年の五輪の前に理解増進法案というものが合意されたわけですけれども、自民党の中で一部の議員が差別は許されないという言い方が盛り込まれていて、それは言い過ぎなのでダメだということで、五輪の直前に提出が見送られたわけです」と指摘した。

 そのうえで「それが全部一つの地続きにあって、総理大臣が消極的であるとか、社会が変わってしまう、雰囲気を見ないといけないというように非常にあいまいな言い方をしている」とし、「先日、施政方針演説の中で、日本は包摂的な社会、多様社会を目指すんだということをおっしゃっているんですが、LGBTQの人々に関しては一言もおっしゃらない。党内の一部の議員、かなり強硬な立場を持っている議員に対する配慮だと思うんですね。しかし、それは日本の今の状況、本当に国民がどう思っているか、何を望んでいるかということと、これはかなり乖離(かいり)しているのでは」と自身の考えを述べた。

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2023年2月6日のニュース