藤井聡太棋聖が3連覇 10代最後の公式戦で永瀬王座下す「かなり厳しいシリーズだった」

[ 2022年7月17日 18:31 ]

棋聖位防衛を決めて感想戦で笑顔を見せる藤井聡太棋聖(代表撮影)
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 将棋の第93期棋聖戦5番勝負第4局は17日、名古屋市の亀岳林・万松寺で行われ、藤井聡太棋聖(19)=王将、竜王、王位、叡王含めて5冠=が挑戦者の永瀬拓矢王座(29)を104手で下し、3勝1敗で2度目の防衛を果たした。これまで将棋の8大タイトルを藤井、渡辺明名人(38)=棋王との2冠=、豊島将之九段(32)、永瀬の4人で分け合う「4強時代」だったが、この日も永瀬を下したようにタイトル戦における藤井の対3強の成績が圧倒的だ。

 藤井にとって初タイトル挑戦となったのは、渡辺に挑んだ2020年度棋聖戦で3勝1敗で勝利し初戴冠。この時17歳11カ月で、タイトル獲得最年少記録を更新した。翌21年度は渡辺が挑戦者して勝ち上がってきたが、3勝0敗で藤井が防衛。18歳11カ月で最年少初防衛、初の10代での九段昇段を記録した。同年度の王将戦では4勝0敗で渡辺を下している。

 対豊島では、初対戦以来6連敗を喫していたが、タイトル保持者として豊島の挑戦を受けた21年度王位戦で4勝1敗で撃破。その年の叡王戦で3勝2敗、竜王戦で4勝0敗と豊島の持つタイトルを全て奪取。現在は王位戦で対戦中で、1勝1敗と熱戦が続いている。

 藤井は対局を振り返り「序盤からあまり前例の少ない展開になった」とし、「終盤はこちらの玉が薄い形が続いたので、形勢がわからないまま指している展開が多かったと思います」と語った。また、黒星スタートの後3連勝となった今シリーズを振り返り「1局目、2局目とかなり苦しい展開が続いて、かなり厳しいシリーズだったと思います」とし、「結果が出せて良かったですが、やっぱり厳しい戦いだったと思うので、そこはしっかり振り返らなければならないと思います」と表情は厳しいままだった。

 また、永瀬は39手目の「9七桂がやりすぎだったかもしれないので、早い段階で…。なんか、(45手目の)9三桂成がさらに被害を拡大してしまったかもしれないので、早い段階でかなり厳しくなってしまったかと思います」と語り、「先手番で1勝もすることができなかったので、それが課題なのかなと思いました。本局だと、途中でかなり厳しくなってしまったので、もう少し勝機の出せる展開にしなくてはいけなかったかなと思います」とし、「結果が出せなくて残念だったと思います」と語った。

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