安倍元首相の国葬 星浩氏は慎重論「根拠法がない」「少なくとも国会で議論するとか」

[ 2022年7月17日 19:02 ]

 ジャーナリスト星浩氏が17日、BS朝日「激論!クロスファイア」(日曜後6・00)に出演し、8日に奈良市で遊説中に銃撃して死亡した安倍晋三元首相(享年67)の国葬実施について私見を語った。

 岸田文雄首相が14日の会見で、安倍元総理の秋に開催すると発表したが、星氏は「私は今の決め方の国葬はよくないと思います」と異議を唱えた。

 戦前にあった国葬令は47年に失効。国葬に関する法律は現行法になく、「吉田茂さんだけ例外的に国葬したんです。根拠法がないんです。内閣の設置法を強引に使ってやるんですけど、そこに国費を投入していいのかどうかというのがある」と疑問を口にした。

 星氏は、過去の長期政権を担った元首相の例にも言及した。「同じ長期政権でも、佐藤栄作さんと中曽根(康弘)さんは国葬じゃなかった。佐藤栄作さんは国民葬という形」。首相としての業績の比較については、「後世の歴史家に委ねましょうということで、“歴代総理は基本的に内閣自民党葬にそろえましょう”とやってきた」と、これまでのスタンスを説明。その上で、「今回、安倍さんの非業の死というのはあるんですけど、それと業績をどうこうするのは別な問題ですから」と話した。

 国葬は国会などでの議論なしに発表された。星氏は「今回の国葬の決め方も、岸田さんが記者会見で突然、発表するという決め方ですけど、少なくとも国会で議論するとか、そういう決め方をしないと。歴代の総理大臣を独自の評価をするわけですから。そこは気を付けてもらいたい」と語った。

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2022年7月17日のニュース