姜尚中氏 安倍元首相襲撃に「メディアが一つの解釈だけで先に行き過ぎると…もう少し犯人の動機を」

[ 2022年7月10日 09:10 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 東大名誉教授で政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)氏(71)が10日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。8日に参院選の街頭演説中に銃撃され、死亡した安倍晋三元首相(享年67)の訃報を受けてコメントした。

 同氏は「痛ましいということに尽きると思うんですね」と厳しい表情で切り出し「日本の実質的な最高権力者、実力者がアスファルトに人形みたいに転がっている様子を見た時に、政治家っていうのはこんな宿業っていうんでしょうかね、そういうものを持っているんだっていう…立場は私は違ってましたけれども、とにもかくにも哀悼の意を表したい」と悼んだ。

 そのうえで「最初に頭に浮かんだのは、30年代の血盟団事件から5・15(事件)だったんですね。血盟団事件は1932年だったと思いますけれど、要人を暗殺していく、そして5・15(事件)につながっていくわけですけど。ただ、これがもしテロならば何らかの形で政治的なメッセージがあってもいいんではないかと思ったんですね」と指摘した。

 そして、「今のところ犯人を見る限り、思想、信条、イデオロギーに安倍さんに恨みはなかったと言っている以上、普通、テロというのは政治的なメッセージを実現するために暴力で何かを覆そうとするわけですから。それがないということなので、結果としては選挙期間中でテロになったと思いますし、民主主義に対する脅威であることは間違いないんですが、われわれがあまりにも深読みや意味を読み過ぎて、逆にメディアが、逆に一つの解釈だけでちょっと先に行き過ぎるというか、そういう危険も少し感じたので、もうちょっと犯人の動機、彼が何を考えていたのかを、もうちょっと明らかにしてほしいですね」と考えを述べた。

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2022年7月10日のニュース