ドラマ「晩酌の流儀」 栗山千明の飲みっぷりは「完璧」

[ 2022年7月6日 08:00 ]

テレビ東京のドラマ「晩酌の流儀」で美幸(栗山千明)がビールを飲む場面(C)「晩酌の流儀」製作委員会PhotoBy提供写真
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 【牧 元一の孤人焦点】深夜に1人、酒を飲みながら視聴するのに最高のドラマが生まれた。今月1日にスタートしたテレビ東京「晩酌の流儀」(金曜深夜0・52)だ。

 主演は栗山千明。1日の最後に飲む酒をどうしたら最高においしく飲めるのか?ということをひたすら追求する物語。1話完結で、毎回、栗山が演じる主人公・美幸が晩酌する場面がクライマックスとなる。

 企画・プロデューサーの松本拓氏は「これは基本的に僕自身がやっていたことです。お酒をできるだけおいしく飲むために、飲む前に2時間くらい歩いたり、サウナに行ったり、昼食を抜いたり…。そんな話を飲みながら誰かにすると『そこまでやるの!?』とおもしろがられた。グルメドラマを担当するのはこれで4回目ですが、お酒をテーマにしたものをやりたいと思いました」と明かす。

 主人公の美幸は不動産会社に勤める37歳の独身。仕事ができるタイプだが、晩酌のため、残業することはない。

 第1話では、帰宅前にサウナに入って汗を流し、スーパーで食品を購入。喉の渇きを保つため、水分補給を我慢し続ける姿が共感と笑いを呼ぶ。

 そして、料理後の晩酌の場面。よく冷えたビールの飲みっぷりの良さが際立つ。

 松本氏は「この役はお酒が好きな人に演じてもらいたかった。ネットで調べたら栗山さんの名前が出てきたので、マネジャーさんに確認したところ、本当でした。打ち合わせの時、僕が自分の話をしたら、栗山さんはとても共感してくれました。グルメドラマでは役者さんに食べ方や飲み方、リアクションの方法をお伝えしたりしますが、栗山さんはこちらが何も言わなくても理想のお芝居をしてくれた。お酒愛が強く、お芝居というより、ほぼ素だと思います。完璧です」とたたえる。

 このドラマには、派手なストーリー展開があるわけではない。約24分の放送時間の半分近くが晩酌の場面だ。一方で、低予算での食材の求め方、料理法などが描かれ、グルメ情報番組のような要素もある。

 松本氏は「もう少し物語を作る選択肢もありましたが、深夜の放送なので、良い意味で頭を使わないで見られるドラマにしようと考えました。お酒をおいしく飲むためにこんなことまでするのか!?というコメディーの要素もありますが、みなさんに共感していただくために、非現実的になり過ぎないように心掛けました。コストを掛けずに良い晩酌をするというのがひとつのポイントで、料理に関しては、良い食材を安く買うことにこだわりました」と話す。

 全8話で、8日放送の第2話の料理は焼き肉。第3話以降は炭水化物や中華などが扱われるそうだ。晩酌好きの1人として、このドラマのシリーズ化を願う。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2022年7月6日のニュース