里見女流4冠が棋士編入試験へ向け会見「強い方と対局したい」 ギリギリでの申請の理由も告白

[ 2022年7月6日 13:22 ]

棋士編入試験への意気込みを語った里見香奈女流4冠※記者撮影
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 棋士編入試験を受験申請した里見香奈女流4冠(30)が6日、大阪・関西将棋会館で会見し、「試験までにできる限りのことをして全力で臨みたい」と意気込みを語った。里見は5月、棋士に混じった公式戦で直近の成績が10勝4敗に到達。棋士編入試験の受験資格「公式戦で10勝以上かつ勝率6割5分以上」の受験資格を女性で初めて満たした。

 「強い方と対局したい。自分がどこまでやれるのか?を重視した」

 受験資格を得た5月27日から1カ月の申請リミットが迫った6月24日、申請を済ませた。ギリギリまで決断を遅らせた理由について、「より後悔しない選択をするために、自分がどう動くのか見ていた」。対局における「秒読み」になるまで自らを追い込むように、俯瞰(ふかん)しながら下した決断だったと明かした。

 試験は8月以降、月に1回若手棋士との対局を5局行い、3勝すれば合格となる。対戦相手はすでに徳田拳士四段(24)らに決まっている。合格すればA級からC級2組まで5クラスある名人戦順位戦のさらに下、フリークラスへ編入される。

 2004年、中学1年で女流2級となり、女流プロ棋士に。11年、男女混合の奨励会編入試験で1級に合格した。13年、女性としては初めて最高位の三段に昇段し、棋士に王手をかけたが18年2月、三段リーグで対戦成績が7勝9敗となり、年齢制限で残り2局を待たずに退会が決まった。奨励会は26歳の誕生日までに三段リーグを勝ち抜けなければ原則として退会となるが、勝ち越せば次も参加できた。

 「奨励会に編入した頃はかなり意識した。今はそういうことではなく、将棋が純粋に大好きで、強い方と対局したい」。成長の要因として、以前は時間重視だった勉強方法の転換、そしてAIを活用した勉強を挙げた。「自由度の高い将棋を指したいというのが勝敗に限らず、結果的によくなってきた」。その上で試験突破へ向け、「相手どうこうではなく、自分が力を出し切れるような対策を練っていきたい」と足元を見つめた。

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2022年7月6日のニュース