球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ドラフト改定ならブレーブス再建の壁に

[ 2016年5月22日 05:30 ]

 ブレーブスのフレディ・ゴンザレス監督が先週解任された。開幕から9連敗し、解任時点で9勝28敗。このペースで負け続けるとメッツが誕生した1962年に記録した40勝120敗を破る38勝124敗のワースト新記録…と冷やかされていたから、首が飛ぶのは時間の問題だった。ただし、監督手腕は就任後3年連続勝ち越し、2度ポストシーズン進出で高評価されていた。つまずいた原因は来年の新球場への引っ越しを前に、チームが再建宣言し、ベテラン選手を売り払ったことだ。加えて成績上位が続いたことでドラフト指名順は下位、有望新人が獲れなかった。戦力不足は歴然で、昨季4位に落ち、今季の最下位も予想されていたことだった。

 妙な言い方だが、チーム再建には3、4年の低迷期間が不可欠だ。それでドラフト上位指名を続け、有望若手を集め育て柱とするパターン。「今季の成績だけで判断されれば解任は仕方ない。再建を手掛けたかったが…」とゴンザレス氏。

 ブ軍は再建宣言の14年に勝率5割を割り、翌15年のドラフト指名順位は14番目。昨季さらに勝率を下げたことで、6月のドラフト順位は3番、14番、80番だ。ただし、来年のドラフト指名順位には不確定要素が浮上した。進行中の労使協約改定だ。選手会と金満球団がドラフト規則の改定を求めている。選手会は「FA獲得をドラフト指名順に結びつけたため、FAの契約が阻害されている」といい、金満球団は「現行ドラフトは、あまりに成績下位球団を優遇しすぎ」と指摘する。ドラフト改定は、有能な監督を解任してまでチームの一新を目指すブ軍再建のハードルになりかねない。ブレーブスの大きな賭けは凶と出るか吉と出るか。 (野次馬)

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