球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ロッキーズ ブラックマン 夢の4割は「*」付き?

[ 2020年8月16日 05:30 ]

 大リーグ機構(MLB)迷走の労使交渉で4カ月が空費された。新型コロナウイルス感染拡大の中、無観客の強行開催は、ポストシーズンのテレビ中継収入目当て。商売からスポーツを取り戻すには個人記録がベストだ。

 ロッキーズのチャーリー・ブラックマン外野手(34)が11日、開幕17試合で打率5割に到達した。今後、打率は下がるだろうが、4割台で粘り、41年のテッド・ウィリアムズ(当時23歳、レッドソックス)が記録した・406以降、“絶滅種″となった4割打者の復活を…そんな思いの記者が多数いて、ブラックマンは「時の人」だ。

 開幕17試合で打率5割はこの50年で5人目という。こんな数字で励ますニューヨーク・タイムズ紙に、本人は「今の野球で4割はリアルじゃない。投手全体がレベルアップ、先発、中継ぎ、抑えと専門職化し、球種も増えた」。17年、ブラックマンはキャリア最高の打率・331をマークし、ナ・リーグ首位打者に。その年の7月1日から9月9日までの60試合の打率は・374。「4割が打てそうな数字」と同紙。「でも今季はフルシーズンじゃない。4割を打ってもアスタリスク(*=注釈印)付きだ」。「記録は全て正式なものとして扱う」としたMLBには痛い言葉だ。

 12日、87歳の元レ軍控え外野手死去の報。カロル・ハーディ氏。60年9月の試合でウィリアムズが自打球を足に当て退場、ハーディが代打で併殺打したが、ウィリアムズには初の代打だった。8日後、引退するウィリアムズは最後の打席で本塁打。監督は、熱狂しているファンを無視するウィリアムズを9回の左翼の守りにつかせてから、呼び返しハーディと交代。この2度の役でハーディ氏の名は球史に残った。

 「*」付き4割打者が誕生したら天国の大打者は苦笑してくれるだろうか。 (野次馬)

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