球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

まるで“コロナボーナス”!? 超厚遇ヤンキースのマイナー検疫隔離

[ 2020年3月29日 08:16 ]

 新型コロナウイルス感染拡大で、大リーグのニュースは激減した。そこに、開幕延期で発生した球団と選手の金銭、権利を巡る対立が2週間の連続会議で合意したとの報。オーナー側提案を選手会が受け入れた。泥沼闘争回避が本来の開幕日(26日)だったのは偶然だが、その前日には、タンパのヤンキース・キャンプ施設とその周辺の“宿舎”から多数のマイナー選手が解放された。氏名未発表の17歳の投手が米球界初のウイルス感染となり、フロリダ州保健局がヤ軍に命じた「感染選手と濃厚接触者たちの2週間の“検疫隔離”」の終了だ。隔離はマイナー選手と職員の計175人。25日まで球団施設、周辺のホテル、アパート等に分宿させていた。

 ニューヨーク・タイムズ紙が伝えるヤ軍の「検疫隔離」での選手のケアが手厚かった。毎日の健康診断は当然だが、個人用の練習器具の貸し出し、フィットネスの映像教材、英語とスペイン語のウイルス拡散防止情報の配布…ときめ細かだ。それは金銭面にはっきり表れた。食事は球団がケータリング会社と契約し、キャンプ規定食費1日約2700円(1ドル=108円換算で25ドル)を約8100円(75ドル)に。隔離明けには4月9日から施行の新日当(57ドル)を前倒しで約8万6400円(800ドル)を支払った。「キャンプ中より待遇がいい」と喜ぶ選手たち。

 大リーグ機構(MLB)の今季の大目標にマイナー42球団の削減がある。強行姿勢のMLBにマイナー球団側は連合組織づくりと連邦議会による「伝統文化野球を守る法」の成立促進を武器に団交を狙う。ヤ軍の“コロナボーナス”めいたマイナー選手へのキャンプ日当、食費アップは敵に利する…と、不満の球団も多いらしい。(野次馬)

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