球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

目玉“トウモロコシ畑試合”名場面再現なるか

[ 2019年8月18日 05:30 ]

 大リーグ機構(MLB)が来季の全日程を発表した。186日で各球団164試合。増えるのは本塁打と三振と試合時間で、観客の減少は17年に1試合平均が3万人を割り込んでから止まらない。16日(日本時間17日)時点、2万8378人で3年連続のワースト記録更新が確実とか。 

 そこでMLBは採算度外視で新しいファン開拓のため本拠地以外での試合の増設を続ける。今後の常設が決まったのは、今季ヤンキース対レッドソックス戦をしたロンドンでは、ナ・リーグの伝統試合、カブス対カージナルス戦。リトルリーグ誕生の地、ペンシルベニア州ウィリアムズポートのリトルリーグ全米選手権用球場のカブス対パイレーツ戦の好カードだ。

 そして“目玉”がアイオワ州のトウモロコシ畑の中の小さな球場で8月に組んだホワイトソックス対ヤンキース戦、“フィールド・オブ・ドリームス”試合。1989年に公開され、世界中でヒットした映画の撮影地、映画と野球双方のファンの巡礼聖地での試合だ。

 主人公が幻の声に従いトウモロコシ畑に球場をつくる。八百長で追放されたホ軍の8選手と主人公の父親がよみがえる。左打ちのはだし(シューレス)のジョー・ジャクソンを右打ちにしたのは失敗だが、主人公より若い年齢でよみがえった父親とのキャッチボールのシーンは泣かせた。

 家族の絆、敗れた者たちの救いの再生…野球はこの種のノスタルジーを歌い上げるには最適だった。広大な緑の畑にポツリ浮かぶ小さな球場、そこを目指して延々と続くヘッドライトをつけた車の列…。名場面の再現を期待するMLBの心配は、異常気象での干ばつだ。トウモロコシは無事に育ってくれるだろうか。 (野次馬)

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