球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

“監督養成球団”レイズ 再び人材流出乗り越えるか

[ 2018年10月28日 05:30 ]

 ツインズとブルージェイズが、相次いで新監督を発表した。レイズからのヘッドハンティングだった。

 現役最年少指揮官となったツ軍のロッコ・バルデリ新監督(37)は、レ軍では昨年まで3年間、一塁コーチ(今季は守備コーディネーター)。5球団が面接し、ツ軍が射落とした。ブ軍のチャーリー・モントーヨ新監督(53)はベンチコーチからの転身だ。レイズのケビン・キャッシュ監督は救援投手を先発させるオープナー継投で勝ち進み90勝72敗でア・リーグ東地区の3位。リーグ最優秀監督賞の有力候補だが、両腕をもぎ取られた格好だ。

 レイズの地元紙には、「4年間助けてくれてありがとう。2人の幸運を祈る」というキャッシュ監督の定番談話を掲載。「球団内で人選か外部から探すかはこれから」というエリク・ニアンダーGMの談話入り今後の観測記事が載るが切迫感は感じられない。

 14年のオフはもっと凄かった。やはり10月、アンドルー・フリードマン編成本部長が5年総額3500万ドル(約39億2000万円)でドジャースに、ジョー・マドン監督が5年総額2500万ドル(約28億円)でカブスに移籍した。内部昇格したニアンダーGMがインディアンスのキャッシュ・ブルペンコーチを監督に迎え、スムーズに新体制へ移行し乗り切った。

 実は、もう一人、メッツのGM候補でチェイム・ブルーム球団副社長が面接を受け、合否の結果待ちだ。レイズの選手年俸ランクは25位以下が指定席。それでもマドン監督の変形シフトやキャッシュ監督のオープナー継投で、金持ち球団と互角に戦った。異才が続く球団は、他球団には人材養成球団に見えるのだろう。今度の流出危機も乗り越えるか。 (野次馬)

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