球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

薬物疑惑ボンズ&クレメンス氏 殿堂入りどうなる?

[ 2018年1月7日 05:30 ]

 年明け野球メディアの定番は、殿堂入り選手見立てだ。24日(日本時間25日)に発表される記者投票の予想記事。引退5年目の21人が新たに候補者リストに加わった。松井秀喜氏がこのエリート・リストに入った。「最初のキャンプで担当記者全員を食事に招待した。驚いた我々は翌年、松井を招待した。以後、交代での招待は松井がヤンキースを去るまで続いた。素晴らしい伝統」と楽しい紹介はニューヨーク・タイムズ。野茂英雄氏に続く日本人選手2人目の快挙だ。殿堂入りは得票率75%以上。得票率5%以上で翌年のリストに残る。リストに名を残すのは10年目まで。野茂氏は1年で消えたが、ゴジラは何年残るか。

 今年ノミネート6年目の大物2人も注目の的。史上最高の通算762本塁打、シーズン73本塁打の記録保持者バリー・ボンズ氏とサイ・ヤング賞史上最多7回受賞のロジャー・クレメンス氏。成績だけなら資格初年の13年に殿堂のドアは開いたはず。それが薬物疑惑で阻まれた。だが、1年目30%台だった2人への投票率は、以後5年間上昇し続け、昨年50%に迫った。投票記者の世代交代や薬物まん延を“見ぬふり”をしたバド・セリグ前コミッショナーが特別委員会の推薦で殿堂入りした影響もあったろう。

 “危機感”を持った殿堂副理事長で名二塁手として殿堂入りのジョー・モーガン氏が昨年11月に投票権を持つ記者たちに公開書簡を送った。「汚染選手を殿堂に入れるべきではない」。年が明け本塁打王3度の殿堂入り外野手ウィリー・マッコビー氏が反論した。「野球が始まったときから“何か”を使う選手は存在した。ボンズを殿堂へ」

 薬物疑惑選手の扱いはさながら球界の喉につかえた餅のような厄介さ。「すでに疑惑選手4人が殿堂入りしている」と指摘する殿堂入り記者もいるのだが、どうなる大物2人…。(野次馬)

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