広島・黒原「マウンドに上がったら戦うしかない」 開幕2戦目危険球退場の悪夢払拭 3年目でプロ初勝利

[ 2024年5月26日 05:45 ]

セ・リーグ   広島9-6DeNA ( 2024年5月25日    横浜 )

<D・広>延長11回に登板した黒原(撮影・島崎 忠彦)
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 広島・黒原が3年目で念願のプロ初勝利をつかんだ。「長く感じた」。約2カ月前、顔を真っ青にした因縁の横浜スタジアムで声をはずませた。

 「3人でスイスイいけなかったのが反省点。相手方にも迷惑をかけた。手放しには喜べないけど、チームが勝ったのはうれしい」

 2日連続の延長戦で、今季両リーグ最長5時間16分の激闘。プロ初の3連投は11回に訪れた。最速150キロで簡単に2死を取った後、関根への初球が抜けて背中に当たる死球になった。治療で空いた時間を使った投球練習で懸命に修正。同時に悪夢も封じ込めた。続く柴田への初球で内角を突き、最後は外角カットボールで中飛。12回の猛攻を呼んだ。

 1年目の22年5月4日の巨人戦で死球を当てて降板。直後に左肩痛を発症し、マウンドから姿を消した。今季は3月30日のDeNAとの開幕第2戦で先発に抜てきされ、初回先頭の度会に対する3球目が顔面付近に当たる危険球で退場した。

 約1週間後の4月7日の中日戦に先発し、5回1失点で再起。2軍での先発待機か、1軍ブルペンか、首脳陣から選択を委ねられ「1軍の戦力になりたい」と即答した。いまやブルペンに欠かせない存在だ。

 「ネガティブになった時は結果にも表れる。マウンドに上がったら戦うしかない。自分の弱さを受け入れて上のレベルにいけるようにしたい」

 今春に母校・関学大は自身が4年生だった21年春以来のリーグ優勝。防球ネットなどを差し入れる予定だ。大野豊(本紙評論家)らが背負った広島の24番を継承し、確かな一歩を刻んだ。

 ◇黒原 拓未(くろはら・たくみ)1999年(平11)11月29日生まれ、和歌山県出身の24歳。智弁和歌山では3年夏に甲子園出場。関学大ではリーグ戦通算13勝。14季ぶり優勝の4年春には最優秀選手、最優秀投手、ベストナイン。21年ドラフト1位で広島入団。1メートル73、78キロ。左投げ左打ち。

 【球団最多タイ9人継投】広島の9人継投は球団最多タイ。07年10月4日の中日戦(高橋、宮崎、青木高、青木勇、横山、永川、佐竹、林、斉藤)、23年8月27日のヤクルト戦(黒原、森浦、益田、大道、中崎、アンダーソン、栗林、島内、アドゥワ)に続く3度目で、すべて延長12回の試合。今回救援でプロ初勝利の黒原は前回23年の9人継投では先発。初回に6点の援護を得て3回4失点で降板。試合は延長12回7―7の引き分けだった。

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