赤星憲広氏 球場の異様な雰囲気を元に戻した初回森下の一打 序盤での先制点につながった

[ 2024年5月26日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-0巨人 ( 2024年5月25日    甲子園 )

<神・巨>初回、森下は中前打を放つ(撮影・須田 麻祐子)
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 【赤星憲広 視点】試合開始直後の球場は異様な雰囲気に包まれていた。現役時代の06年にノーヒットノーランを喫した経験がある。選手たちは「今日は先にヒットを打ちたい、先に点を取りたい」と思って試合に臨んだはずだ。初安打が記録されるまでは不安な中、いきなり初回に生まれた。過去2試合連続無安打だった阪神・森下が2死から147キロの内角球を中前打。この一打で球場の雰囲気が普通に戻ったことを感じた。

 チーム初安打となる単打にもかかわらず大歓声だった。森下が前夜の呪縛を解いた。続く大山も149キロの直球を右前打。本調子ではない森下と大山の2人に安打が出たことで、攻撃陣は「いける」と思ったはずだ。得点こそ入らなかったものの、初回に嫌な感じは払拭できた。

 序盤の2回に先制点を奪えたことで、先発のビーズリーもリズムに乗ることができた。抜群の投球内容。力のある速球は微妙に動いている。カットボールに加えて、曲がり方が異なるスライダーも大きな武器。狙っても簡単に打てるようなボールではない。

 昨季は走者を背負った際の投球が課題だった。走者を気にするあまり制球を乱すこともあった。今季は投球のリズムを変えるだけでなく、制球力も安定。昨年よりも進化したビーズリーの存在は今後を戦う上でも大きい。(スポニチ本紙評論家)

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