巨大壁画描いたロバート・バルガスさん ドジャース・大谷と描く世界一の夢

[ 2024年5月26日 01:30 ]

大谷の壁画を描くバルガスさん
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 ドジャース・大谷翔平投手(29)はメジャートップの打率・340をはじめ、13本塁打、35打点、13盗塁と好調が続く。17日にはロサンゼルス市が5月17日を「大谷翔平の日」と制定した。3月末に市内の都ホテルに巨大壁画を描いたロバート・バルガスさん(年齢非公表)も21年に同市から9月8日を「ロバート・バルガスの日」と定められた「ロスのアートの顔」。「Monthly Shohei」5月編は、そんな巨匠に話を聞いた。(取材・奥田秀樹通信員)

 市内のリトルトーキョーにある都ホテルに描かれた巨大壁画の除幕式は、3月29日に行われた。縦約46メートル、横約18メートルに達する壁画を描いたバルガスさんは、大谷が昨年12月にドジャースと10年契約を結ぶと、自らホテルに壁画のアイデアを持ち込んだという。

 「ロスは壁画文化で世界の首都だと言い切れる。この街の人たちはヒーローが好きだ。元レーカーズのコービー・ブライアントの壁画は、あちこちにある。大谷もそういう存在になれると思っている」

 制作は3月8日に始まった。投打2人の大谷が描かれ、スマホの専用サイトからカメラを向けると、画面の中の壁画が動き出すというAR技術を使った仕掛けも。「働く人が多い街だ。彼らはヒーローのゲームに向かう姿勢、人生への向き合い方、高潔性や勤勉さなど、長年にわたる努力、自己犠牲があって勝ち得たものと知るからこそ、ヒーローを尊敬し、だから壁画も残っていく」と街と壁画の結びつきを説明した。

 壁画には文化の架け橋に、という思いも込めた。リトルトーキョーには日系人が築いてきた長い歴史がある。「この場所じゃなきゃだめだった。私はエンゼルス時代の大谷を、アナハイムで描きたいとは思わなかった」。歴史ある場所と、大谷という存在の2つが重なり、絵筆を握った。

 ◇ロバート・バルガス メキシコ系米国人で、ロサンゼルス市のボイルハイツで生まれ育った。生年月日は非公表。少年時代から絵を描き始め、大学は美術とデザインでは世界トップ10に入るといわれるニューヨークのプラット・インスティテュート。卒業後はロサンゼルスを拠点に活動。

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