報徳学園・田村君 聖地で親孝行 準優勝メダルをかけた姿に…母「感動です」歓喜の涙

[ 2023年4月2日 07:15 ]

第95回選抜高校野球大会決勝   報徳学園3ー7山梨学院 ( 2023年4月1日    甲子園 )

試合前、ノックを受ける報徳学園・田村(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 【いっちーの球春胸キュン日記】報徳学園の田村琉樹君は身長1メートル58。小柄ですが、プロ野球のスカウトがノックを見て「13番の子がうまい」と褒めるほどの守備力の持ち主です。

 18年夏、テレビに映る小園海斗選手(現広島)に、ひと目ぼれ。「同じ遊撃手として報徳で野球がしたい」。故郷・奈良を離れての挑戦でしたが、女手一つで育ててくれた母・美樹さんも背中を押してくれました。

 3人きょうだいの末っ子。大好物は「兄のつくる唐揚げとオムライス」。母の帰りが遅い日は、兄・祐希也さんが面倒を見てくれる温かい家庭で育ちました。だから入寮直後は寂しさもありましたが、今は月に一度、すし屋で過ごす家族との時間が活力源です。

 そんな田村君、今大会の出番は準々決勝・仙台育英戦で訪れました。4―4の延長10回1死二、三塁のヤマ場での代打出場。死球でサヨナラ勝利に貢献しました。打席に立つ勇姿を一塁側アルプスから見守った美樹さんは「この日を楽しみにしていました」と目を潤ませました。そして大一番のこの日は三塁側アルプス席から観戦し、準優勝メダルをかけた愛息の姿に「感動です」と歓喜の涙を流しました。

 田村家のモットーは“楽しんだもん勝ち”。その教え通り、笑顔で過ごした聖地での5試合を終えた田村君は「報徳に行かせてくれて感謝しています」。立派な準優勝で最高の親孝行となりました。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

続きを表示

2023年4月2日のニュース