球団初の開幕2戦零敗 広島・新井監督「開幕戦よりも、いい反応をしていると見えている。打者全体にね」

[ 2023年4月2日 06:30 ]

セ・リーグ   広島0ー1ヤクルト ( 2023年4月1日    神宮 )

<ヤ・広>報道陣に囲まれ引き揚げる新井監督(撮影・長久保 豊)
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 本塁が遠い。広島は1日、ヤクルト戦(神宮)に0―1で敗れ、球団史上初の開幕から2試合連続零敗を喫した。前日3月31日に3安打だった打線は、この日も散発4安打と沈黙。6回を2安打零封した床田を援護できず、開幕からの18イニング無得点は88年の阪神とセ・リーグワーストで並んだ。新井貴浩監督(46)は「何とか早く一本を」と攻撃陣に奮起を求めた。

 1点を追う8回が最後の見せ場だった。先頭・坂倉が今季初安打を右前へ運び、神宮の左半分を埋めた赤ヘル党から歓声が上がる。だが、8番・小園の投前バントで代走・大盛が二塁封殺されると、重苦しい空気がグラウンドを覆い始めた。

 「練習するしかない。練習して(バントを)決められるようにします…」

 22歳は必死に声を絞り出す。1死一塁となって首脳陣は代打・田中を指名。カウント3―1から敵の3番手・清水が投じた外角直球を空振りすると、スタートを切っていた一走・小園は二塁で憤死、流れが悪いまま最終的に左打者は見逃し三振に倒れた。

 「昨日開幕して(安打が)一本出るまでというのは(プレッシャーが)ね。何とか早く一本出してほしいという感じかな」

 新井監督は淡々と打者心理を代弁する。それにしても攻撃陣に元気がない。前日3月31日の開幕戦が単打のみ散発3安打なら、この日は菊池の右翼線二塁打を含めて散発4安打。先発では野間、西川、デビッドソン、小園にまだ一本が出ていない。

 そういう状況ならホームベースも当然遠くなる。ロッテと歩調を合わせ、球団史上初で15年のオリックス以来となる、開幕から2試合連続の零敗。開幕からの18イニング連続無得点は88年の阪神とセ・リーグワーストで並んだ。

 「開幕戦よりも、いい反応をしているというふうには見えている。打者全体にね」

 打者目線で攻撃陣の現状に言及する指揮官。打線の組み替えや積極的に仕掛ける采配で、沈滞ムード打破を図る心づもりだ。

 「どんどん動きを出していきたいとは思っている。そこはこっちがいろいろ考えて」

 2試合連続の零敗は屈辱でも、シーズンはまだ始まったばかり。きっかけ一つで空気はガラリと変わる。打者は状態を上げ、まずは出塁することだ。週明け4日からは本拠地6連戦。敵地で一つ勝って弾みをつけたい。 

  ○…広島がロッテとともに開幕から2試合連続零敗。15年のオリックス以来8年ぶり延べ7、8チーム目。広島は初めてで、セ・リーグでは88年の阪神に並ぶワースト。最長は67年東京(現ロッテ)の3試合。開幕から18イニング無得点は、これまでのチーム記録、94年の15イニングを更新して、88年阪神に並ぶリーグワースト。最長は67年東京の36イニング。

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