神宮でプロ選手の「弟祭り」 鷺宮製作所・野村工が衝撃の2発 兄はソフトB野村勇

[ 2023年3月7日 20:13 ]

第77回JABA東京スポニチ大会   鷺宮製作所16―1ジェイプロジェクト ( 2023年3月7日    神宮 )

ソフトバンクの兄の「勇ちゃんピース」をする弟の野村(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 予選リーグ8試合が行われ、神宮では全3試合でプロ野球選手の弟が活躍する「弟祭り」となった。今秋ドラフト候補でもある鷺宮製作所・野村工(たくみ)外野手(24)は2本塁打を含む4安打6打点と大暴れ。ジェイプロジェクトに16―1で7回コールド勝ちした。トヨタ自動車は5―1で東京ガスに勝利。最速150キロの新人右腕・細川拓哉投手(22)は2回を無安打無失点と活躍した。

 ソフトバンクでプレーする2学年上の兄・勇は昔から絶対的な存在だった。些細なことで何度も殴り合いのけんかに発展。小学校高学年まで続いた「ブレイキングダウン」は一度も勝利することなく、成長とともに終わりを迎えた。

 野球の才能に恵まれた兄はプロ野球選手になった。同じ舞台を夢見る野村だが、兄の選手としての武器であるスピード、守備力は遠く及ばない。だが一つだけ胸を張って言えることがある。「長打力だけは負けない」と。

 屈強な肉体は兄と同じ身長1メートル75、1キロだけ重い体重84キロ。名門の4番を担う右の長距離砲だ。1点を追う2回先頭で直球を振り抜くと「打った瞬間という感じ」と自賛する左翼席への同点ソロ。さらに15―1で迎えた7回はスライダーを左翼席に運んで4安打6打点。まるで前夜に2アーチを放った侍ジャパン・大谷翔平(エンゼルス)のような大活躍。幡野一男監督は「凄いですね。チームの柱なので頼もしいです」と笑顔だった。

 いまも兄に勝ちたい気持ちは変わらない。鹿児島で行った2月の春季キャンプ。休養日には宮崎まで兄がいるソフトバンクのキャンプの見学に行き、一流選手に混じる姿を目に焼き付けた。

 気持ちを高めて迎えた今年初の公式戦となる「スポニチ大会」。「いつも家族の話題が兄ばかりなので自分も良いニュースを届けたい」と熱い気持ちを結果にした。
 
 「プロに行きたい気持ちは変わらない。去年より圧倒的な成績を残さないといけない」と覚悟の3年目。次の「兄弟げんか」の舞台はプロ野球だ。(柳内 遼平)

◇野村 工(のむら・たくみ)1998年(平10)8月14日生まれ、兵庫県出身の24歳。日本航空石川では甲子園出場なし。東都大学野球リーグの拓大では2歳上の兄・勇(現ソフトバンク)と2年間チームメート。鷺宮製作所では21年に東京ガスの補強選手として都市対抗初出場。昨年に初出場の日本選手権では兄の古巣・NTT西日本戦で本塁打。1メートル75、84キロ。右投げ右打ち。

<SUBARUは5―2でアスミビルダーズに勝利>オリックスの左腕・田嶋の弟である俊輔が公式戦初登板を果たした。日大出身の最速148キロ右腕は3点リードの8回から登板し、2回を無安打無失点で4奪三振の快投。大学時代に慣れ親しんだ神宮のマウンドだが「気持ちが高ぶったりはあまりなかった」と平常心で結果につなげた。2連勝で迎える予選最終日に向けては「自分の役割を果たしたい」と言葉に力を込めた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年3月7日のニュース