阪神・近本、由伸撃ち侍エール弾 大谷の驚弾&ヌートバーの打撃に刺激「すごい」

[ 2023年3月7日 05:15 ]

WBC強化試合   阪神1―8日本代表 ( 2023年3月6日    京セラD )

<神・侍>3回2死、近本は右越え本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・近本光司外野手(28)が6日、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンとの強化試合(京セラドーム)で今春1号を放った。3回に大谷が特大弾を放った直後の攻撃で、虎のリードオフマンも負けじとアーチ。昨年11月の強化試合にも出場し、今回の本大会メンバーの最終候補に入っていた背番号5がバットで、世界一を目指す代表戦士へ向けド派手なエールを送った。

 近本は、一人の野球少年に戻っていた。

 「球場の雰囲気とか、ヌートバーとか、大谷とか、哲人さんの応援歌とか“ああ、やっぱり面白いな”と思いながら守っていた」

 3回、怪物・大谷が打席内で左膝をつきながら放った驚異のホームランを最も近い中堅の位置から見届け「ああ、すごいなと感じた」。ドームに充満する余韻を楽しみながら、直後、3回2死で迎えた第2打席。虎のリードオフマンは勝負師へと変貌した。マウンドには昨季の交流戦で3打数1安打の山本。フルカウントから国内最強右腕が投じた159キロの内角高め直球にバットを出し、弾丸ライナーで右翼スタンドへ届かせた。常人なら当てることすら困難な球だっただろう。実はこのとき、近本の敵は山本ではなく、真後ろにいた。ヤクルトで正捕手を張る中村だ。

 「シーズンでも戦う捕手。“どう来るんかな、何が来るんかな”というのもあった。いろいろ考えました。(本塁打は)狙っていた、ということにしときましょうか」

 会心の一撃は世界の頂点を目指す30人へ向けた“応援弾”でもあった。昨年11月の強化試合(東京、札幌)では侍ジャパンの一員として3試合に出場して打率・231(13打数3安打)、2打点、1盗塁を記録。2月28日には左脇腹の負傷でカブス・鈴木の出場辞退が決まり、代役候補に名前が挙がったが実現せず。第5回WBC出場は逃したものの、侍戦士たちにヒケを取らない実力を証明した。

 「ヌートバーのバットの出し方とか(球の)捉え方は“すごいな”と思った。大谷はテレビで見ていましたけど、ヌートバーは初めて見る。ああいうバットの角度は日本人でもいない。すごい」

 常に進化のきっかけを探している。この日の強化試合で楽しみにしていたことの一つに同じ94年生まれの大谷の「体のデカさ」があった。ただ、本人も確信しただろう。自分には“デカさ”はなくとも、他に勝負できる武器はたくさんある。走攻守、そしてとっておきの飛び道具――。切り込み隊長の今季の躍進を、確かに予感させる夜となった。(八木 勇磨)

【阪神 過去のWBC直前ジャパン戦】
 ★13年2月26日
 <阪神1―0日本>
 京セラドーム大阪で行われ、先発のメッセンジャーが3回を2安打無失点。打線は5回、伊藤隼が涌井(西)から中前適時打で先制。この1点を継投で守り抜き、阪神が金星を挙げた。日本代表から2番・二塁で先発の鳥谷は4打数無安打。

 ★17年3月3日
 <阪神4―2日本>
 京セラドーム大阪で行われ、初回1番・北條、2番・高山の連打で先制。相手先発・武田(ソ)の乱調を突き2回までに3得点。7回の中田(日)のソロなどで1点差に迫られるも、8回に新人の糸原が右中間適時二塁打でダメ押しした。

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