中畑清氏 源田が起点!戦い方見えてきた侍攻撃陣

[ 2023年3月7日 05:05 ]

侍ジャパン強化試合   日本代表8-1阪神 ( 2023年3月6日    京セラD )

<神・侍>3回1死、源田は右翼線二塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 【キヨシスタイル!】凄えや。大谷。一段とパワーアップしている。度肝を抜かれた2発。見逃せないのは、いずれも源田が流れをつくったってことなんだよね。

 8番に入った源田。まずは2回に井上の三遊間のゴロをうまくさばいてリズムに乗った。直後の3回の打席、1死から内角の真っすぐをうまく右翼線にはじき返した。守備の人のように思われているけど、なかなかどうしてコンパクトなスイング。打撃も十分期待できる。

 この源田が三塁に進んだ2死後、先制タイムリーを放ったのは1番のヌートバー。スライダーをコンパクトなスイングで中前に運んだ。初回の打席ではシュート気味の速球をバットの先でとらえて左中間へ。大リーガーなんだけど、いい脇役になってくれそうな雰囲気を持っている。

 源田とヌートバーでつくった流れに乗って飛び出した大谷の驚弾。5回の攻撃の起点になったのも源田のショートへの内野安打だった。侍ジャパン3大会ぶりの金メダルの鍵を握っているのはこういう選手だと思うんだよね。

 日の丸を背負う大一番になると、特に主役には大きなプレッシャーがかかる。2009年の第2回大会でイチローさんが胃に穴があくほどの重圧を抱えちゃってさ。最後の最後、韓国との決勝戦で延長10回に決勝タイムリーを放ったのはさすがだけど、それまで大不振に陥ってた。

 この試合のように大谷に3ランが2発出れば楽だけど、本番になったら点が入らず苦しい試合もある。そんな展開になったとき、いかに機動力を絡めて点を取るか。主役が打てないときは、みんなでカバーし合って勝ちゲームに持っていく。その意味で源田やヌートバーには大いに期待している。
 あとは点が入らないときに粘れる継投だね。球数制限がある中でどうつないでいくか。状態のいい投手ばっかりじゃない。ここまでの実戦を見ていると、滑りやすいWBC球にまだ苦労している投手もいる。
 ベンチは状態を見極めてどう動くか。栗山監督はダルビッシュにも「悪ければ1回でも代える」と言ったらしいけど、その言葉通り勇気ある決断をしてほしいな。頑張れ、ニッポン!(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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