【スポニチ大会】兄は中日で爆発中 トヨタ自動車・細川拓哉が「ひつまぶしパワー」で快投

[ 2023年3月7日 15:26 ]

スポニチ創刊75周年記念第77回JABA東京スポニチ大会   トヨタ自動車5―1東京ガス ( 2023年3月7日    神宮 )

スポニチ大会<東京ガス・トヨタ自動車>トヨタ自動車2番手・細川(撮影・村上 大輔)
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 昨年の日本選手権で優勝したトヨタ自動車は東京ガスに5―1で快勝し、2連勝で予選リーグ突破に王手をかけた。最速150キロの新人右腕・細川拓哉投手(22)は4―0の7回から救援し、2回を無安打無失点で勝利に貢献した。兄・細川成也は昨年12月の現役ドラフトでDeNAから中日に移籍。東北福祉大から同じ愛知に引っ越した弟は2年後のプロ入りを狙う。

 胸に輝く「TOYOTA」が誇らしい。4点を先取した直後の7回。細川が公式戦デビューのマウンドに立った。予選リーグ突破のためには落とせない一戦。藤原航平監督は「タフなところが魅力。彼が生きる場面」と迷いなく新人を送り出した。

 昨年6月に東北福祉大で出場した全日本大学野球選手権以来の神宮。大学時代は「動く直球」で力勝負していたが、細川は「ニューモデル」の投球スタイルをお披露目した。最速144キロの直球、スライダー、カーブ、カットボール、フォークで巧みにコーナーを突いた。2回を無安打無失点1三振でバトンをつなぎ「凄く楽しい気持ちで投げることができました」と厚い胸を大きく張った。

 広島の守護神・栗林を育てた名門野球部。細川は「社会人野球のレジェンド」から学ぶ日々を送る。全球種を自在に操る39歳のベテラン・佐竹功年。チームに数え切れないほどの勝利をもたらした先輩のブルペン投球から制球力と球質の重要性を実感。「長年、積み上げてきたものを間近で見ることができている」と恵まれた環境に目を輝かせる。

 運命的な再会も力になった。長打力が武器の兄・細川成也は昨年12月の現役ドラフトでDeNAから中日に移籍し、今春は既に対外試合で3本塁打をマーク。兄を追うように東北福祉大から同じ愛知へ活躍の場を移した弟。入寮後、兄と名古屋名物「ひつまぶし」を食べて互いに健闘を誓い合った。
 
 ドラフト指名が解禁となる2年後のプロ入りへ新たな挑戦が始まる。「まだまだ必死な状態。先輩の背中にくっついて与えられたところで精一杯やっていくだけです」と決意。まずは「登竜門」となるスポニチ大会の頂点を目指す。(柳内 遼平)


◇細川 拓哉(ほそかわ・たくや)2000年(平12)4月6日生まれ、茨城県北茨城市出身の22歳。明徳小1年時に北茨城リトルで野球を始める。中郷中ではいわきリトルシニアに所属。明秀学園日立(茨城)では1年秋からベンチ入りし、3年春に甲子園出場。東北福祉大では3年春からベンチ入り。憧れの選手は元阪神・藤川球児。趣味は映画、アニメ鑑賞。1メートル76、88キロ。右投げ右打ち。

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2023年3月7日のニュース