広島・森下、フリー打撃登板「納得がいっていません」も実戦復帰へ前進

[ 2023年3月7日 07:00 ]

広島・森下はフリー打撃に登板
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 広島・森下暢仁投手(25)の実戦復帰が見えてきた。6日の全体練習(マツダ)で実戦を想定したフリー打撃に登板。打者6人に21球を投げて奪三振2、被安打1に抑えてみせた。本人は「まだ全然」と振り返り、首脳陣も慎重な姿勢を崩さないものの、右肘の状態に問題がなければ12日のヤクルト戦(同)で術後初の実戦マウンドに立つ予定だ。

 はた目には上々の内容に映っても、自己評価はことのほか厳しかった。実戦復帰へのステップとして、本拠地での全体練習でメニューに組まれたフリー打撃登板。1死満塁などの想定で6人と対戦した森下は、不本意な思いを隠さなかった。

 「全然です。全体的な力もだし、体の面もそう。真っすぐも、うーんって感じ。納得がいっていません」

 デビッドソンを中飛に仕留めると、西川は見逃し三振、マクブルームも空振り三振に斬った。2巡目の背番号10にこそ左前に運ばれたものの、末包、新助っ人は寄せ付けず外野フライに抑えた。それでも一線級の感覚は安易な妥協を許さない。

 「(西川)龍馬さんといろいろ話した中でも、やっぱりそうだな…と思えることが多かった。周りから見たらよく見えるかもしれませんが、強さをまだ出せていないので」

 沖縄2次キャンプの2月27日以来となる打者相手の投球。前回は8人に27球を投げ、最速145キロを計測した直球を3安打された。今回は6人に21球を投じて被安打1、奪三振2。重視する球威がまだ復調途上とあっては不満は拭えない。

 「いい時に比べたらもうちょっと。球数的にも、もうちょっと伸びてほしい」。横山投手コーチは右腕の現状をそう説明し「実戦になればギアがもっと上がると思う。ただ予定よりも、彼が順調にいくことの方が大事なので」と付言した。

 あす8日に、昨秋手術した右肘の状態を確認。問題がないと判断されれば、対外試合で次のステップを踏むことになる。横山コーチの言う予定とは、12日に本拠地であるヤクルト戦。森下は言う。

 「相手打者が立ってどうなるかだと思う。勝負できる球を投げるか投げないか。(それが)できていない。そういう準備から、もっともっと(やらないと)という感じです」

 慎重に慎重を重ねて歩む復帰ロード。実戦復帰が見えてきたとはいえ、いたずらに楽観視はできない。開幕ローテーション入りは果たして――。25歳に本来の明るさが戻るまで、いくばくかの時間が必要だ。 

 ▼広島・新井監督(実戦形式のフリー打撃に登板した森下について)彼の場合は投げるか、投げられないかだけ。結果がどうこうじゃなしに、次の日に体がどういう反応を示しているのか。その繰り返しでステップアップしていく。

 【森下の経過】
 ▽22年10月26日 群馬県館林市内の病院で右肘クリーニング手術を受ける。

 ▽12月4日 早期完治を優先し、開幕投手を狙わない意向示す。「開幕から1~2週間遅れても、離脱しないことが一番大事」

 ▽23年1月26日 春季キャンプ1軍スタートが決定。新井監督「暖かいところでコンディション優先」

 ▽2月2日 宮崎・日南キャンプ2日目、手術後初のブルペン入り。捕手を立たせてキャッチボールでフォームを確認。

 ▽同7日 手術後初めて、スパイクとユニホームを着用してブルペン投球。

 ▽同17日 捕手を座らせて130キロ直球のほか、カットボール、カーブなど6球を試投。

 ▽同27日 手術後初のシート打撃登板。打者8人に全球種織り交ぜ27球。被安打3も、直球は最速145キロ。「あとはどれだけ調整できるか」

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2023年3月7日のニュース