侍・大谷 3ラン連発!!!片膝つき片手打ち&バット折れても力で押し込んだ

[ 2023年3月7日 05:05 ]

侍ジャパン強化試合   日本代表8-1阪神 ( 2023年3月6日    京セラD )

<神・侍>3回2死一、二塁、大谷は3点本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンは6日、阪神との強化試合で大勝。「3番・DH」で出場した大谷翔平投手(28)は3回に左膝をつきながら中堅フェンスを軽々と越える3ランを放つと、5回も中堅に2打席連続の3ランを運んだ。チーム初戦の9日・中国戦(東京ドーム)まで、あと2日。世界に誇る二刀流が1974日ぶりの日本でのプレーで、ファンに世界一奪還を確信させた。

 こんな大谷は見たことがない。試合直後のヒーローインタビュー。淡々と受け答えすることが多い二刀流が「まだまだ声援が足りないので、もっともっと大きい声援をよろしくお願いします」とファンをあおる。世界一奪還を願う3万3460人から、笑いと拍手が降り注いだ。

 こんな一発は見たことがない。1日に帰国し、3日からチームに合流。「時差ぼけで体調100%ではなかった」という中、衝撃の2本塁打6打点だ。まずは3回2死一、二塁。才木の外角低めのフォークに体勢が崩れ、スイング直後には左膝が地面についた。最後は右手一本で、腰の刀を抜いたようなポーズで打球を見送る。「2ストライクからだったけど、いい角度で振ることができた」。誰もが「凡退か…」と思った打球が、バックスクリーン右の2階席まで届いた。

 こんなパワー、信じられない。2本目は5回2死一、二塁の第3打席。新人左腕・富田の142キロ高め直球を2打席連続で中堅右に運び「詰まったけど力で運べた」と言った。体の近くまで引きつけて強振。バットが折れたのに、打球は軽々とフェンスを越えた。阪神投手はWBC使用球よりも飛ぶとされるNPB球を使用したが、格の違いは歴然。日本代表での一発は16年11月12日のオランダとの強化試合以来、2、3本目。1試合2発はもちろん初だ。ヌートバーの人気パフォーマンス「ペッパーグラインダー」も披露した。

 規格外のパワーを生み出すフィジカルの状態は過去最高だ。2月のキャンプ序盤に「今までの中でも一番」と強調。エンゼルスで大谷の体のケアを担当する寺田庸一トレーナー兼マッサージセラピストも「(右肘、左膝の)手術明けという感覚ではない。昨年の後半から状態は良い。トレーニングの質と量も上がっている」と太鼓判を押す。19年の左膝手術前は体重維持に苦労したが21、22年は体重102キロで安定。キャンプ中に全身マッサージやストレッチに2~3時間かけた日もあり、万全の状態で臨むことができている。

 試合前には先発が濃厚な9日の中国戦に向けてブルペン入り。「投手・大谷」の準備も整いつつある。「僕自身の調整は順調。チーム全員でもっともっと調子を上げ、いいチームで初戦を迎えれば十分に上を狙える」。狙うは09年の第2回大会以来、14年ぶりの世界一奪還。背番号16に、ファンは夢を乗せる。(柳原 直之)

 大谷(エンゼルス)が2打席連続3ランで6打点の活躍。日本代表で1試合2本塁打は、昨年11月6日の巨人戦(強化試合)で村上(ヤ)が8、9回に2打席連続で打って以来。また、プロが参加した99年以降の国際大会で、日本代表のゲーム6打点は、井口(ダイエー)が01年11月7日のフィリピン戦(W杯予選)、鈴木(広=現カブス)が16年11月13日のオランダ戦(強化試合)でマークしたのと並ぶ最多タイ記録。

 ≪最多タイ6打点≫大谷の日本代表での通算成績は打率.500(14打数7安打)となり、本塁打は16年11月12日にオランダ戦(強化試合)で打って以来2、3本目。なお、国内での一発は、日本ハム時代の17年9月23日のロッテ戦以来6年ぶり。

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