1番・ヌートバーが侍打線にスパイス！ペッパー先制打　初陣「楽しんで」2安打1打点

侍ジャパン強化試合   日本代表8－1阪神 （ 2023年3月6日    京セラD ）

＜神・侍＞初回、安打を放ったヌートバーは胡椒挽きのパフォーマンス（撮影・尾崎　有希）
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　侍ジャパン打線に火をつけたのは、初出場した“タツジ”だ。「1番・中堅」で出場した日本代表初の日系選手ヌートバーが、先制打を含む2安打1打点。ミドルネームの「タツジ」コールに背中を押され、すぐに期待に応えてみせた。

　「緊張もあったけど、やっぱりここでプレーできることをとても楽しんでいる。1、2本ヒットが生まれればと思って、その通りになったのも良かった」

　リードオフマンとしての役割を完遂した。初打席となった初回、才木の外角高め153キロ直球を捉え、中堅左へあいさつ代わりのクリーンヒット。メジャーの試合でも見せるコショウをひくパフォーマンス「ペッパーグラインダー」でベンチを盛り上げた。3回2死三塁の第2打席では、真ん中寄りの142キロスライダーを中前に運び、2打席連続安打となる先制適時打。その後の大谷の3ランにつなげた。

　「打順はどこでも構わない」と前置きしつつ、斬り込み隊長としてのイメージは米国を出発する前から膨らませていた。「カージナルスでも同じようになるだろうから、1、2番が打てれば素晴らしい機会になる。ノーラン（アレナド）、ゴールディ（ゴールドシュミット）の前を打つはず」。米国代表にも選ばれている強打者2人と大谷を重ねた。「日本代表では翔平が中軸に入るのだろう。彼らにはプロテクション（前後の打者の奮闘）が必要。自分がそれになれるように、ベストを尽くす」と誓った通りの活躍で、1番打者としての適性を存分にアピールした。

　3日に合流して即チームメートから「たっちゃんTシャツ」で歓迎され、大谷の本塁打ではともに「ペッパーグラインダー」で喜びを分かち合った。「素晴らしい経験。ずっと忘れないことが続いている」。早くもジャパンの輪に溶け込んだ25歳が、本大会でも日本の先陣を切る。

　▽ペッパーグラインダー　カージナルスが苦戦していた夏場に控え捕手キズナーが「We　are　grinding.（こつこつ粘り抜こう）」と話したことが発端で試合中の好プレー時にベンチや塁上でコショウをひく動きのパフォーマンスがスタート。徐々にヌートバーを中心に行われるようになり、ベンチに本物のコショウをひく器具が持ち込まれるほどナインに定着し、ファンの人気も集めた。球団のファンイベントでは器具を持参してヌートバーにサインを求めるファンが相次いだ。