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巨人・沢村、電撃“格差トレード”真相――信頼回復へ手尽くすも…自軍で復活に見切り ロッテでの飛躍願う

[ 2020年9月8日 05:15 ]

7月1日のDeNA戦で途中降板し、原監督(右)に声を掛けられる沢村
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 巨人の沢村拓一投手(32)とロッテの香月一也内野手(24)のトレードが7日、両球団から発表された。10年ドラフト1位、16年のセーブ王で今季年俸1億5400万円の右腕と、同650万円の若手野手と異例の「格差トレード」。巨人が敢行した背景について、スポニチ本紙記者が分析した。

 巨人が沢村を放出した裏には、自軍では完全復活が見込めないという判断が見える。環境を変え他球団での活躍を願う形を選択。ある意味で見切りをつけざるを得ない、苦渋の決断と言えるだろう。

 原監督は「非常に思い出深い、素晴らしい選手。環境が変わってステップ材料とするように。求められたということは彼にとって素晴らしいこと。飛躍することを願います」と、親心を口にした。

 チーム内での信頼回復のため、あらゆる手を尽くした。昨季は先発再転向で「脱力投法」を思い出させ、中継ぎに再々転向。計43試合で防御率2・61と復活したかに見えたが、再び制球難に苦しんだ。7月に「代役守護神」にも指名したが改善は見えず2軍降格。勝ち試合で登板させたいという思いがあった。

 阿部2軍監督が3軍降格を決めた際は「慎之助も悩んでいるよ。立ち直らせるため」と話した。16年セーブ王に輝いた10年ドラフト1位腕。ブルペンのリーダー役も任せ、球団一丸で再生に取り組んできた。原監督はこの日、沢村と電話し「同じ野球界にいる。俺は味方だ。応援しているぜ」と思いを伝えた。「教え子の中で一番話した人かもしれないね。笑ったり、時には涙を流したり」と苦楽を共にしてきたからだ。

 150キロ超の剛球を誇り、打者を見下ろすような風格。一方で登板前におう吐したこともあるほど精神面は繊細だ。17年には球団との間で、トレーナーのはり治療での施術ミスの可能性を巡るトラブルもあった。完全復活には心機一転、環境を変えるしかないのかもしれない。大塚淳弘球団副代表編成担当は過去に「他球団で活躍されてはいけないので、飼い殺しをしていた時代があった」と明かし「今は生かす道があるんだったら探してあげたい」と球団の方針転換を説明している。

 香月獲得にはパンチ力のある左打者の層を厚くする狙いがあり、原監督は「非常に類いまれな才能を持っている。ジャイアンツで開花させたい」と期待した。亀井が38歳で、丸は31歳。今秋のドラフトでは、左のスラッガーの近大・佐藤を筆頭候補に挙げている。

 今季3件目のトレード。年俸格差をいとわない補強は、近い将来も見据えた戦力整備を最重要とした証だ。(巨人担当キャップ・神田 佑)

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