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新井貴浩氏 「甲子園の土」ネット出品は許さない!「野球を通じて何を学んできたのか」

[ 2020年9月8日 07:00 ]

スポニチ評論家・新井貴浩氏

 【新井さんが行く!】腹立たしいニュースだった。

 阪神・矢野監督らの発案でタイガースと甲子園球場が全国の高校3年生の野球部員に贈った「甲子園の土」がネット上のフリーマーケットに出品されたという。スゴく残念だし、怒りすら覚える。なぜ、人の善意を踏みにじることできるのか。

 もちろん、受け取った約5万人の球児のうち、ごく一部の人の行為だと思う。冗談半分で、面白がってやったことかもしれない。でも、世の中には、ふざけていいこととダメなことがある。今回は絶対にダメだ。

 まだ幼い子供たちがやったことではない。高校3年生といえば、大人の手前。もうすぐ社会へ出て行く年齢だ。だからこそ、見過ごせない。生きていく上で大切なことは、みんな小さい頃に教わっているはず。「自分がやられて嫌なことは人にはしない」。「自分が言われて嫌なことは人には言わない」。少し考えれば、分かることだ。ネットを通じて簡単に情報を発信できる時代だからこそ思い出したい。

 目に見えないものこそ大切にしないといけない、とも教わってきた。矢野監督や選手ら今回たくさんの関係者が動いて全国の球児に届けたのは、単なる「土」ではなく、「願い」や「祈り」だった。一番大事にしないといけないものだ。野球界で起きたことだから余計に悲しい。

 野球を通じて何を学んできたのだろう。厳しい日々の練習で磨いてきたのは技術だけではないはずだ。仲間を大切にする心、周囲への感謝や思いやり…。たくさんのことを教えてもらった。野球に育てられてきたから、いまの自分がある。みんな同じだと思う。

 日本では「ベースボール」ではなく「野球」と呼ぶ。スポーツとしてだけなく、教育の場として根付いているからだと思う。一部の人がやったことだから…と片付けず、改めてアマチュア精神やスポーツマンシップを見つめなおす契機にしたい。

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