槙原寛己氏 巨人10四死球で思い起すあの伝説…長嶋監督が激怒した「札幌カニカニ事件」

[ 2020年8月22日 22:43 ]

セ・リーグ   広島10―4巨人 ( 2020年8月22日    マツダ )

<広・巨>3回1死満塁、鈴木に押し出し四球を与えた畠。手前は三塁走者の大瀬良(撮影・森沢裕)
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 巨人は20日の広島戦で投手陣が10四死球を与える乱調で4―10で敗れた。巨人では球団ワーストの1イニング10四球を与えた試合がある。そんなエピソードを交え、本紙評論家の槙原寛己氏(57)が解説した。

 四球は伝染し、ゲームを重くする。それを象徴するような内容だった。この展開を招いたのは先発の畠で、完全な自滅だった。

 投球の際に腕が頭から離れ、力みもあってボールがシュート回転していた。そのためボールがどうしても右打者の方へ行く。それを試合の中で修正するのが先発投手の条件なのだが、畠は投げていてどうしていいか分からなかったのだろう。修正できないまま3回途中降板。早いイニングから救援となった田中豊も準備不足は明らかだった。

 3回だけで6四球6失点。巨人の先輩たちから1978年の札幌円山球場の広島戦で1イニング10四球があったと聞いたことがある。当時の長嶋監督が激怒した試合で、横歩きのカニのように次々に歩かせたからなのか「札幌カニカニ事件」と呼んでいた。今回はそこまでではなかったが、四球の連鎖は悪いスパイラルにつながる。

 先発投手の早期降板は中継ぎ陣にしわ寄せが行く。首位快走で盤石に見える中の不安要素だろう。待たれるのは若い先発投手の台頭。その意味で23日の直江に期待したい。(本紙評論家)

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2020年8月22日のニュース