広島 ドはまり初回5得点 3連覇した強いカープ野球の面影 佐々岡監督「一つずつ」

[ 2020年8月22日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7-5巨人 ( 2020年8月21日    マツダ )

<広・巨(10)>1回1死二、三塁、坂倉は右越えに3点本塁打を放ちナインに迎えられる (撮影・奥 調)
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 留飲の下がる攻撃とはこのことだ。3連勝中の巨人ナインを意気消沈させ、先発のルーキー・森下を勇気づけた鮮やかな速攻。打線の組み替えと、足を絡めた采配がズバリ的中し、広島・佐々岡監督は表情を緩めた。

 「昨日までなかなか点が取れなくて、先制する展開に持ち込めなかったからね。初回は1点を取りにいく中で一、三塁になり、理想の形になった」

 今季初の1番・長野が7球粘って四球で出塁。続く菊池涼が1ボールからの2球目を叩いて遊撃・坂本のグラブをはじくと、スタートを切っていた長野は一気に三塁へ。間髪入れず、初球を先制の二塁内野安打とした西川の言葉が的を射ていた。

 「いい流れに乗って打つことができた」

 なおも1死満塁からピレラの三ゴロで2点目を挙げると、仕上げは森下の女房役を務める7番・坂倉だった。2ストライクと追い込まれながら、左腕・田口の真ん中低めスライダーを反応よく振り抜き、値千金の今季1号右越え3ランだ。

 「追い込まれていたので全部に対応しようと思っていた。風に乗り、森下さんの援護点になってよかった」

 足を絡めてよどみなく後ろにつなぎ、一発長打でビッグイニングを呼んだ痛快な記憶がよみがえる。最近5試合は投手陣が全て先制点を献上し、打線も1試合平均2得点の低空飛行。そうした重い空気を、3連覇当時の強い野球で吹き飛ばした。

 「ウチは借金があるので一つずつ集中してやっていくだけです」

 やればできる。巨人とのカード初戦に勝利し、連敗を3で止めた指揮官は力を込めた。 (江尾 卓也)

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